ハレルヤ

グレート・ディベーター 栄光の教室のハレルヤのレビュー・感想・評価

3.9
1935年のアメリカ。テキサスにある黒人が通うワイリー大学で教鞭を執るトルソン教授が学内でディベートチームを立ち上げる。そのチームに選ばれた4人は言葉を武器に人々の心を掴んでいく実話を基にしたヒューマンドラマ。

デンゼル・ワシントンが主演だけでなく監督も務めた意欲作。彼が主演で人種差別問題に言及した内容、そして感動の実話ものとくれば「タイタンズを忘れない」クラスの期待が沸きました。

結果は分かっていながらも、やはり期待にしっかりと応えてくれる作品。一見地味なイメージのディベート。しかし実際は高度なテクニックと戦略が必要である事。議題に向き合う大切さ。それを通じて成長していく部員たちの姿に面白味が凄く感じられました。

そして本作のテーマの1つになっている人種差別問題。今の時代でもまだ問題になっているのに、当時だとより一層の酷さ。劇中の所々でこの時代の黒人が受ける露骨な差別描写に言葉を失います。特に後半のある場面はかなりの衝撃でした。

そんな苦難を乗り越えて辿り着いたハーバード大学での大会で手にする栄冠。やはり感動的でしたね。デンゼル・ワシントンの存在感は本作においても抜群。フォレスト・ウィテカーも控え目ながら良い味を出していました。

同じく実話ものの「ドリームズ・カム・トゥルー」という映画もありますが、本作と同じく言葉を扱うスペル大会を描いたもの。この作品も本作も日本では残念ながら未公開扱い。

スポーツものと違ってあまり派手さは無いので、興行に繋がりにくいイメージだからかもしれませんが、内容は本当に素晴らしいです。あまり目立たない存在なのが勿体無いですね。
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