とちこ

愛の世紀のとちこのレビュー・感想・評価

愛の世紀(2001年製作の映画)
4.1
『愛の世紀』(2001)

- ほとんどカメラは動かされず、固定して撮影されているが、40分ぐらいの夜のシーンで、左から右へのパン撮影が行われていた。
- (1:13:00~)スピルバーグ株式会社の社員が、当時レジスタンスだった夫婦2人に物語の権利を交渉しているシーン。
- )海が画面内に強調して出てくる。オフの音ととしても波の音が強調されてる箇所が、終盤にある。→「軽蔑」のあのカミーユとプロコシュのシーンがされに洗練されていく印象。(1:32:16)リテラルに、海の映像が室内の映像とミキシングされていた。
- 登場人物がほとんど理解できない。


#解釈
蓮實は、「愛の世紀」の前半に出てくる、髪の長いある女性に着目する。その彼女の容貌が、暗闇とカメラのレンズのピントが合っていないため、観客にははっきりと確認することができない。つまりゴダールは彼女の顔を見せようとしないのだ。カラーイメージになってから、この女性の確定不可能性が解消されるという。→蓮實は、視線や髪の長さから彼女だと特定しているがいささか性急すぎる気がする。ゴダールは徹底してその後も彼女をはっきりとフレームに収めることをしていないように思えるから。
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