たけちゃん

アリス・イン・ワンダーランドのたけちゃんのレビュー・感想・評価

4.0
Filmarksでは驚く程に評価が低い本作。そうなのかなぁ!
僕は2よりも圧倒的にこちらが良い。それについては、時間の旅のレビューにも書いてます!


ティム・バートン監督 2010年製作
主演ミア・ワシコウスカ

ルイス・キャロル原作の不思議の国のアリスは大好きで、子供の頃、何度も読んだ。もちろん、鏡の国のアリスも。
その不思議な世界を映像化すると聞いた時は胸が踊った。しかも、監督はあのティム・バートン!
悪いわけがないのだ!



オープニングからティム・バートン臭をプンプンさせながら、進みます!

まず、音楽。作曲家はダニー・エルフマン。バットマンやシザーハンズなど、ティム・バートン映画には欠かせません!彼の曲が流れると、あぁ、ティム・バートンと感じさせる。それくらいピッタリ!

また、極彩色の画作りもお馴染み。例えば、シザーハンズの住宅の屋根の色を思い出してください。現実的ではない世界の雰囲気を上手く醸し出しています。本作は極彩色のワンダーランドがそのまま非現実世界でした。

次に、キャラ造形。
ティム・バートン監督って、異形なものを描くのが本当に上手い。
ビートルジュースやシザーハンズ、もちろん、バットマンでのペンギンやジョーカー。どれもが社会のはみ出しもの、受け入れられないものの悲哀をも合わせて描かれます。ヴィランになる所以があるんです。

今作は赤の女王とマッドハッターがその役割を担っていますね。


そして、核となるストーリー。
ティム・バートンは不思議の国のアリスの話を借りながら、世の中の常識が決して正しいわけではないのだと訴えます。

冒頭で19歳になったアリスが求婚されるのですが、周りの誰もがそれが当然で、正しいこと、幸せになることだと言うのです。ただ1人、アリスを除いて。

空想癖で冒険家のアリスは世の中の常識に囚われず、自らの気持ちに向き合います。不思議の国への旅がそれに答えをもたらすのですね。自らが求めているもの。自分がしたいことに気づくのです。

アリスも社会の異端者で、はみ出し者なのですが、それが間違っているのではない、自分の心に素直になってごらん、昔のアリスに戻るんだ、と映画では訴えます!だから、現実世界に戻って来たアリスは言いたかったけど言えなかった本当の気持ちを周りに伝え、新たな冒険の旅に出るのです。


ティム・バートン自身、社会のはみ出し者と感じているようですが、だからこそ、そうした立場の人を好んで描きます。

周りから見れば変人と取られかねないティム・バートンは、自らの映画を通して、マイノリティの姿を顕在化させ、そうした人々もそのまま受け入れることを訴えるんです。

アリス・イン・ワンダーランドも、他のティム・バートン作品と同様に、それが見事に描かれた作品となっていました!


個人的には不思議の国のアリスの世界が映像化されただけで大満足なんですけどね。



以下、ネタバレと雑言(≧∇≦)b




個人的には、トランプの兵隊が動くだけで感動でした。

ミアはこの映画の時が1番良かったなぁ。新作では違和感しか無かった。

赤の女王を演じたヘレナ・ボナム=カーターは、ハリポタのベアトリックス並のはまり役。

白の女王はアン・ハサウェイ、もう透明感でしかない。透けてた!

アブソレム役はアラン・リックマン!声だけで仕事ができます。吹き替え版もスネイプ先生の声優さん。

白の戦士に誰がなるの?の下りはダチョウ倶楽部ネタか!

マッドハッターが踊るファッターワッケンは最高でした!ちょっとだけアリスも踊る。


とにかく「打ち首じゃ~~~!」が好き。