イワシ

曲馬団のサリーのイワシのレビュー・感想・評価

曲馬団のサリー(1925年製作の映画)
5.0
グリフィスの映画史上最も笑える感動の映画。サーカス、駅、パン屋に微笑みそして爆笑し、ピアノの場面に涙を流す。軽業をもちいて法廷から脱走するキャロル・デンプスターのキートンばりの疾走と大勢の追手はラストでこれが去りゆくW・C・フィールズを迎え入れる家族という集団に反復される。

列車の到着など待てんとばかりに荷物を持ってホームから降りて歩き出し、列車とすれ違いざま、車輪が巻き上げた砂塵を被り、帽子は風に飛び、帽子箱を取り落としてあたふたする。そしてまた歩き出す。なんでもないこれらの動作に泣いた。そして『北国の帝王』ばりに走行する列車に飛び乗るのだから、素晴らしい!

サンドイッチを齧りながら勢いよくハグをした拍子にW・C・フィールズの帽子があみだになる。キャロル・デンプスターは帽子をもとの位置に戻し、ポンとやさしく手でたたく。この所作に泣いた。
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