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リトル・ランボーズのodyssのレビュー・感想・評価

リトル・ランボーズ(2007年製作の映画)
3.0
【不良少年の怖さが描けていない】

どの辺に焦点を当ててこの映画を見るかで感想はかなり違ってくる映画だと思いますが、私は主として人間関係に重きをおいて見ました。少年の映画作りもそれなりに面白いのですが、トシのせいか子供の遊びに純粋に同化することがもうできなくなっているので、そちらはパスといったところ。

その人間関係も二つに分かれます。少年同士の友情、そして家庭事情。

少年同士の友情物語としては、感動的ではあるのですが、やや甘い気もします。というのは、問題児が本当の意味で問題児として描かれていないからです。不良少年というのは、もう少し手ごわいんじゃないでしょうか。この映画に描かれているような、実はというような甘ちゃんじゃないんじゃないか。それに、主人公の男の子ウィルも無防備すぎる。男の子は、ああいう不良児に対しては警戒感を抱くもの。映画だからしょうがないとは思うけど、相手にころっと騙されて、そのあと友情を誓い合う展開には、私はついていけませんでした。

他方、二人の家庭環境の描写はなかなか面白い。どちらも欠損家庭(表現が悪くてすみません)ですが、そこから来るごたごたが現代的に見えます。一方は敬虔主義的な宗教の規制がうるさく、他方は母親が恋人を追って他国に行ってしまっているので徹頭徹尾放任主義。しかしそういう中で二人の少年はそれなりに生きていく。親はあってもなくても子は育つのですよね。
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