ヤマト

哀しき獣のヤマトのレビュー・感想・評価

哀しき獣(2010年製作の映画)
4.0
アジア映画連続観賞、13作品目はこちらの作品。
《哀しき獣》

【ハ・ジョンウ】演じる朝鮮人族のグナムは生活に追い込まれ、お金のために殺人の依頼を受け、韓国に行くというもの。
またこのミッションの他に韓国へ出稼ぎに行った音信不通の妻を探すという目的もあります。

この作品…。
ストーリー複雑!!
1回流しで観たら、全く整理できず意味のわからないまま終わってしまいました(笑)
そこで続けて2回観賞したら、ようやくストーリーを理解(苦笑)

まずこの作品、作中にも表示されますが、大きく分けて4章に分かれてます。

1、タクシー運転手
2、殺人者
3、朝鮮族
4、黄海

まずは朝鮮人族について、冒頭で説明があります。
中国の東の外れ、北朝鮮とロシアとの国境に隣接する位置にある、朝鮮族自治州。[朝鮮人族]とは韓国系中国人の事で、生計を立てるために、出稼ぎで合法的に又は違法に韓国へ渡っている者がいるというもの。

1章の[タクシー運転手]はグナムの中国での仕事。
まぁ堕落した生活を送ってます。
奥さんに逃げられた?のも自業自得だろとは思いました。

2章の[殺人者]では【キム・ユンソク】演じる朝鮮族自治州の裏社会を牛耳るミョンからの依頼で、『韓国にいるある男(キム・スンヒョン教授)を殺してこい、ついでに妻を探してくれば良いじゃないか』と言われ、報酬は借金の肩代わりをしてくれることから、グナムはその依頼を引き受けて韓国へ行きます。
この殺人ミッションが悲劇の始まりで、しかもかなり複雑な事態に。
てかそもそもミョンがキム・スンヒョン教授を殺しの対象にしたのはなぜ?
またこの章からグナムは探偵なの?ヤクザなの?って思うくらい、探索能力や暴力的、更には逃げる能力が高い男で、素性がわからない主人公でした。

3章の[朝鮮族]から登場人物、その他の組織も色々と出てきて複雑になってきます。
ミョンの組織、バス会社のテウォン社長
の組織、警察などまぁグナムも色々と追われて逃げる逃げる。
あとはミョンがとにかくヤバい。
気の良さそうなおじさんだったのに鬼神のような表情でバッタバッタ殺していきます。
ここの章をしっかり整理できればラストの章もある程度理解できます。

4章の[黄海]はラストシーンの描写の部分を描きたかったんだと思います。
《哀しき獣》の末路ですね。
クライマックスの殺し合いのシーンは韓国映画特有の[バイオレンス]MAXです。
全体的にですが、殺しのシーンは観賞注意です。

あと更にストーリーを複雑にしたのはある銀行員の存在。
全部、不確かな内容で、ただのヤローたちのみの勘違いかもしれませんが、グナムの妻、キム・スンヒョン教授の妻、テウォン社長の妻?彼女の不倫、浮気の縺れがストーリーを複雑にしていったと思います。
特にエンディングのグナムの妻と思われる女の登場。
正しく全てが勘違い?って表現したかったのでしょうか?
制作者の意図はわかりませんが、とにかく複雑なストーリー、回収しきれない伏線は推理要素もあるので、ただのアクション映画で収まらないところはある意味魅力なのかなと思いました。
[バイオレンス]、[エログロ]も強い刺激的な映画なので、刺激を求める方は是非。
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