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哀しき獣のBOBのレビュー・感想・評価

哀しき獣(2010年製作の映画)
3.5
ナ・ホンジン監督の長編第2作目。

中国朝鮮族のタクシー運転手が、借金帳消しとの交換条件で殺人依頼を引き受け、韓国へ渡る。

「黄海」

アマプラ見放題が終わるということで。ナ・ホンジン監督作品は、『チェーサー』『コクソン』に続いて3作目。

相も変わらず、暗い、汚い、重い、痛い、のハードな韓国ノワール。とんでもなくパワフル。覚悟はしていたが、とても長く感じたし、とても疲れた。

巨大な闇に飲み込まれた男による必死の逃走劇をメインストーリーとする「哀しき獣」たちの犯罪群像劇。人間関係が複雑で、それぞれの勢力の行動動機がよく分からないまま、ただただ無慈悲な殺し合いを目撃することになる。クライム・サスペンス映画としての面白さより、憂鬱な気分の方が勝った。途中で興味を失いかけ、オチが良く分からないまま、エンディングを迎えた。

鈍器や刃物を使った、どす黒く血みどろなヴァイオレンス。ハリウッド顔負けのド派手なカーチェイス・カーアクション。ウケ狙いとしか思えない無能な警察。大胆なジャンプカット多め。

中国朝鮮族という存在を、初めて知った。

初見の感想では、『チェイサー』≫『コクソン』>『哀しき獣』。

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