おとうちゃん

哀しき獣のおとうちゃんのレビュー・感想・評価

哀しき獣(2010年製作の映画)
3.5
狂犬vsターミネーター!

中国、ロシア、北朝鮮に国境を接する延辺朝鮮族自治州の中国側に住むグナム(ハ・ジョンウ)は借金返済のため犬商人で地下社会のボス ミョン社長(キム・ヨンスク)に仕事を持ちかけられた。

「韓国に行って人を殺して来い!」

殺人の依頼を承諾した瞬間、生きて帰れない運命のルーレットが回された...まさに狂犬病に感染したグナム!

韓国に着いてからというもの、様々な人間関係の渦の中で翻弄する野良犬の如く途方に暮れるしかないグナム。
深い闇の底を這いずり回って、グナムはいったいどんな真実に辿りつくのか?

この闇には一部の光さえ届かない!

ナ・ホンジン監督作品『チェイサー』とは逆に追われる側の立場を描いたノワール スリラー!

あまりに人間関係が複雑すぎて不親切とも思える節もあるが、それは『哭声コクソン』も同じこと。
ナ・ホンジン監督...映画を観やすく分かりやすくしようなんて、全く考えていない!

目を背けたくなる血みどろのバイオレンス描写と後味の悪さが残れば それで良いらしい(;゜∇゜)

生々しい暴力シーンと拳銃を一切使わない壮絶な殺し合いは見物!
斧、包丁、バール、パイプレンチ...ありとあらゆる物で撲殺、刺殺のバイオレンス。

最強の武器ば骨゙...今、猛烈に豚足が食べたい!

「誰が この俺を落し入れたか真実を知りたいだけ」

逃げ場を失った手負いの狂犬グナムが、不死身のターミネーター ミョン社長 相手に戦いを挑む...まさに窮鼠猫を噛む!

人生の歯車が狂い、堕ちていくしかない‟哀しき獣”の姿を、とくと ご覧あれ!