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哀しき獣のmasaのレビュー・感想・評価

哀しき獣(2010年製作の映画)
3.7
さすが『チェイサー』のナ・ホンジン監督。戦慄した。

借金返済のため、危険を顧みず韓国に密入国した韓国系中国人が、ある殺人事件に関与したことで味わう奈落の底の人生をダイナミックに描く。

グナム(ハ・ジョンウ)は、中国延辺朝鮮族自治州でタクシー運転手として働いている。
だが、借金はかさみ、韓国に出稼ぎに行っている妻からの送金も連絡も途絶えてしまっていた。
そんなとき、地元を牛耳る犬商人のミョン(キム・ユンソク)から借金清算の代償としてある条件を出され……

いやー、ハ・ジョンウとキム・ユンソクの演技が凄まじく鳥肌がたつ。特にキム・ユンソクの怪演が凄い。
暴力の奥深くにひそむ人間の悲しさがなんともやりきれない。

ハッピーエンドとかで終わるんじゃなくてこの戦慄感で人生を考えさせられる。韓国映画はこれだからやめられない。
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