タスマニア

哀しき獣のタスマニアのレビュー・感想・評価

哀しき獣(2010年製作の映画)
3.0
2020年213本目。

ナ・ホンジン監督の映画を見るのは「哭声」以来二作目。
どちらの作品も日本と韓国で地理的に近いのに、意外と知らない歴史的背景、民族の話などが分かっていないとピンとこない描写が多かった。

今回は「朝鮮族」という中国に住む朝鮮系の少数民族のことがまず頭に入っていないと、冒頭の会話の内容やグナムが「どこからどこに移動して、どこに帰ろうとしているのか」がシンプルに分からないし、誤解する。
自分も後から「朝鮮族」をネットで調べたので、映画を見ている間は「北朝鮮から韓国に向かう話」と思ってしまった。先入観って怖い。
ある意味麻雀のシーンはヒントだったと思うし、自分の韓国文化のイメージからすると麻雀をするシーンは単純に違和感あった笑

そもそも、ストーリーも複数の思惑のベクトルが絡み合っていて、登場人物も微妙に覚えにくくて、よくわかんなくなっている部分もあった笑
「哭声」も登場人物の立場が複数あって、結構入り組んでいたし、ナ・ホンジンの作風なんだろうか。

でも、「この映画すごいな」って思ったのはやっぱりバイオレンスアンドバイオレンスのシーンだわ。
「The 韓国映画」と言わんばかりの遠慮と容赦ないグロ描写や暴力描写。
あと、登場人物がタフすぎる笑
ミョン社長がほぼ無敵で、銃を使わないムーブで牛骨でなぎ倒していく美学。
ミョン社長の趣は、お国も違うけど、三国志の呂布が戦場に現れるような雰囲気だったわ。
マブリーちゃんが登場人物にいたら、韓国俳優のバトルロイヤル状態だったわ。

あと、グナムの捕まりそうで絶対捕まらない逃走劇ね笑
めっちゃ冷静に見ればシュールで興醒めな気がするけど、「主人公なので絶対死なないモードで敵をなぎ倒します」と割り切れば・・・まぁ、それでもシュールか笑

男たちが汗と血を流してボロボロになりながら奔走するけど、結局女性が強かに負けないムーブをちゃんとしてるところも面白いかも。
あと、銀行員ね笑

妻が電車から降りるオチはなんとなく想像ついたし、そのオチが「おあとがよろしいようで」と素直に言えるもので良き。
タスマニア

タスマニア