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バベットの晩餐会のrexsolusのレビュー・感想・評価

バベットの晩餐会(1987年製作の映画)
4.8
個人的に最も愛する映画作品。デンマークの片田舎の小さな村を舞台にした敬虔なキリスト教徒の姉妹のお話で、ほぼ全編地味な場面と風景が淡々と続くだけなのにも拘わらず、フランス革命の頃の激動の時代を背景にいくつかの偶然とフィクションが織り交ぜられることによって、壮大でかつ心温まるファンタジーに仕上がっている。原作の力によるところも大きいが、こういう大作とはまた違う味わい深い小品の存在こそが映画芸術の醍醐味だと思う。これはアカデミー外国語作品賞を受賞してるけど、原作者のカレン・ブリクセンはデンマークが誇る20世紀を代表する女流作家で、ロバート・レッドフォードとメルリ・ストリープの「愛と哀しみの果て」の原作者アイザック・ディネーセンと同一人物。一人で原作者としてアカデミー作品賞を複数獲得してるのは、他に「ゴッド・ファーザー」シリーズのマリオ・プーゾぐらいしかいないのでは。(それも厳密にはPart2に原作はなく、脚本はコッポラとプーゾの合作)
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