みゆ

バベットの晩餐会のみゆのレビュー・感想・評価

バベットの晩餐会(1987年製作の映画)
5.0
2016.01.12(12)
録画・字幕


NHK BSプレミアムにて。

ものすごくものすごく有名な作品なのは知っていたので、集中力が無い時にうっかり見てはいけないような、そんなイメージを抱いていた。

見始まったら可愛らしいの。とても。難解さは皆無。海沿いの小さな漁村に住む姉妹。その生い立ちや、エピソードなどが淡々と、でも情感豊かに描かれていく。淡々としているのに情感豊かなのは、役者さんたちの上手さがひとつ。村の空気感がひとつ。

そんな村である晩餐会が開かれることになった。慎ましやかに生きてきた村人たちにとって、晩餐会はまるで悪魔の囁きのよう。怯える村人たちは(それまでお互いの不満や悪口ばかり言い合っていたのに)急に結束を固め、悪魔の誘惑に負けるもんかー!と晩餐会に挑む訳である。

でも美味しいもの(それもとびきり美味しいもの)の力を舐めちゃいけないよね。本当に美味しいものには、頑なな人の心を溶かし、穏やかにし、笑顔を作る力がある。晩餐会を終えた村人たちの満ち足りた顔。気持ちの余裕も生まれ、いがみ合っていた相手とすら笑顔であっさり和解してしまう。悪魔の存在なんてどこへやら。

これはひとつの村のお話であり、また自律し自立もしている(ように見える)女性たちの物語でもある。

機会があったら是非ご覧ください。とても良い作品ですよ。