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バベットの晩餐会のTOTのレビュー・感想・評価

バベットの晩餐会(1987年製作の映画)
4.2
デンマークの漁村で老姉妹に仕えるフランス人の召使いバベットが、富くじの当選金で食材を買い込んで美味しい料理を振る舞う。
という本筋以上に、とても豊かな映画。

信仰に生きた清廉な老姉妹が唯一心を交わした2人の男性や、バベットが村にやってきた経緯など、過去の描写を経て迎える晩餐会。
豪華な食材を手際よく調理していくさまも見事だが、ワインや料理の出し方など彼女が配膳係のエリックに指示する細やかな気遣いが素晴らしい。
あとエリックめっちゃかわいい。
前半、寒く暗い村で諍っていた人々が、晩餐会で美味しい料理を食べながら語り合ううちに絆を取り戻していくさまは温かく、晩餐会の後に手を取り合って夜空を見上げる姿はとてつもない幸福感。

バベットも姉妹も、姉妹を愛した男性たちも多くを語らない。
でも彼女彼らが秘めた想い、信念、信仰、覚悟の重さはわかる。

途方もない神の導きの果ての、一晩だけの奇跡のような晩餐会。
あまりにも清廉で美しい物語に涙が止まらなかった。
さぁヴーヴ・クリコで乾杯だ!