ブライアン・デ・パルマ監督によるサスペンス映画。
この映画はヒッチコックのサイコをオマージュしているということを聞いているが、実際まだサイコみてないからどういう内容かは分からない。なのでちゃんとヒッチコックはヒッチコックで見たうえで語りたいですね。
この映画の序盤のアンジーディキンソンが殺されるまでのほぼ言葉のないブライアン・デ・パルマ独特のカメラワークで過程を描くシークエンスは流石としか言いようがない。もう、ここまでミステリー映画の基礎を踏襲していると絶賛せざるを得ない。
美術館における後ろから撮影される主観撮影やロングショットにより360度回転するようにカメラを動かすやり方も見ていてとても緊張感が増す。撮影の仕方一つとってもどれも完成度が高い。
中盤における、アンジーの息子が追い詰めるためにひたすらカメラ撮影をするシーンは後のミッドナイトクロスにも精通するところがある。やっぱりカメラを撮影する際に見方を工夫すればするほど味の出る内容になっていく。
そしてミッドナイトクロスやカリートの道でもよくやる地下鉄アクション。ここも暗転の見せ方一つとってもデパルマのセンスの良さが感じられる。
キャリーにも出ていたナンシーアレンがまあエロい女体を見せるのも見せ場なのかもしれない。外人には勃たない自分には意味ないが。
終盤の展開に至っては、夢おちってことでちょっと物足りなかった。最後のカットがまんまキャリーなのもちょっとげんなり。
でも全体としてはデパルマらしい映画であったと思う。そんなに長くもないし、キャリーと同じく短くまとまっていて見やすい映画であった。