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クイルズのyoccoのレビュー・感想・評価

クイルズ(2000年製作の映画)
4.5
18世紀の薄暗い精神病棟が舞台で登場人物に誰一人まともな人間がいない上に、エロティックでややグロテスクなサディズムの世界を描いた不思議な世界観なのだが、キャストに演技派を揃えているため凄く綺麗にまとまっている“これぞ映画!”という作品です。

とにかくこの作品は“役者が凄い!”です。
この作品は一言で表すと“演技派俳優達による変人演技対決映画”です。

まずはSMの生みの親でありサドの語源にもなった官能小説家の狂人マルキ・ド・サド役を、ジェフリー・ラッシュが時に怪しく、時に気持ち悪く、時にお茶目に、時に狂おしく、見事に人間臭く演じてアカデミー主演男優賞にノミネートされました。

マルキの世界に魅せられて次第に狂ってゆく小間使いのマドレーヌ役はケイト・ウィンスレットが純粋に、盲目に、美しく、色気たっぷりパーフェクトに演じています。

そんなマドレーヌに惚れてしまい神父という立場と自身の欲望の間で繊細に揺れ動き苦悩の末に狂っていゆくクルミエ神父役をホアキン・フェニックスがこれまた色気たっぷりに演じています。

この主要キャスト3名の演技対決だけでも見応えは十分なのですが、独裁的で強欲な博士を演じたマイケル・ケインと彼の毒牙にかかるアメリア・ワーナーも小悪魔的な役を素晴らしく演じています。

精神病棟にいる患者達も狂いっぷりが見事。特に放火魔がいいキャラをしています。

あっぱれ!といった感じの作品です。

とにかくシュール。
あんなにも意味がわからない世界観をこんなにも綺麗にまとめあげるって、本当に凄いです。
ラストあたりでまさかの展開の事件が起きて私は号泣。どんでん返しというのとはちょっと違うけど、本当にまさかの展開でした。

そして、ラストの神経が衰弱してしまっているホアキンの色っぽさったらない。


物凄く繊細で人間臭く、狂気の美しさを堪能できる上に映像も絵画のように美しい作品で個人的には大好きです。