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クイルズのmiwanのレビュー・感想・評価

クイルズ(2000年製作の映画)
3.9
抑圧は内に眠る獣を覚醒させる。

18世紀ナポレオン時代のフランス。サディズムの語源となったマルキ・ド・サド侯爵は猥褻文書頒布罪で精神病院に幽閉される。
抑圧されても抑圧されても、マルキの書く事への執念は更に狂気を帯びていく。

斬首や拷問など、かなり強烈な場面があって何度かシーンをスキップしてしまった。
それでも、狂気は美しく虜にさせる。作品にのめり込む自分が怖い…。

ジェフリー・ラッシュは見た目が苦手な俳優さんだけど、マルキ役は狂ったジジイ感が素晴らしい。
病院の責任者の神父を演じるホアキン・フェニックスもいい!抑圧だらけの聖職者はヤバイ。最後の崩壊する姿はめちゃくちゃセクシーだ。

病院の小間使いマドレーヌを演じるケイト・ウィンスレットも官能の匂いを放つ。

マルキを矯正すべく、病院の新院長に赴任してきたコラールは拷問好きで更に抑圧に拍車をかける。コラールに嫁入りした修道院育ちのシモーヌは、若くて世間知らずでコラールの生贄になるのかと思いきや…シモーヌいいわ!

シモーヌが住むお屋敷に出入りする建築士の青年。マルキの原稿をマドレーヌから密かに受け取る、馬に乗った出版社の男。
ヤバイ! 秘密感たっぷりで惚れる。
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