きっつい。
人の心が壊れていくのをこんなにしっかり見せられるのはやっぱりきつい。
ドヨン姉さんはいろんな映画で酷い目に遭わされ過ぎですよ…。
夫を亡くした喪失。下世話で世界の狭い田舎町での慣れない生活。そして愛する息子まで奪われた。
ジュンの帰りを待ちながら、ソファで横たわりイビキをかく真似をするシネが痛々し過ぎて悲しかった。
情緒不安定になったり、無感情になったり、宗教にのめり込んだり、目まぐるしく揺れ動くシネの心情を演じたチョン・ドヨン恐るべし。
観ていたいと思えるようなストーリーではないのに彼女の演技が圧倒的過ぎて目が離せない。
神に救われた気になったつもりでもやっぱり自分の息子を殺した男なんて許せる訳がない。
ましてその人殺しが、自分と同じように宗教にのめり込んで平穏な心で生きていると知ったら。
なにもかもが信じられなくなった人間の行き場のない感情と、心の脆さが描かれる終盤は本当につらい。
全く綺麗事がない。一度は信じた宗教への復讐心。当人に罪は無いとしても、息子を殺した男の娘だって許せない。
それでも最後に少し救いを感じさせてくれるのはラストシーン。ずっとそばにいてくれたソン・ガンホ演じるキムの愛だけがシネを救うのかもしれない。
この作品を観てて、ぼくの大好きなKen YokoyamaのSave Usという曲を思い出した。
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自分達の愛だけが自分達を救えるんだぜ
こんなこと言うなんてKenは頭がおかしくなったなんて笑わないでくれ
変な宗教に入ったわけじゃない
宗教はいつだってクソだ
でも今なら自分を撃ったやつですら許せる
嘘だよ そんな聖人いると思う？
自分達の愛だけが自分達を救えるんだぜ
愛しかないんだぜ
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