takato

シークレット・サンシャインのtakatoのレビュー・感想・評価

4.1
 す、凄いテーマに踏み込んだ作品。「汝の敵を愛せよ」、しかしもしも敵がすでに神によって救われていたら?。ドストエフスキーが描きそうなテーマを現代韓国で描くとは。宇多丸さんの2008年ベスト作品。

 神の名によって処方箋のごとく不幸に対して施される安易な救い。果たしてそんな物に意味があるのか?。宗教というだけの問題でなく、救いって、許すって何だろう?って考えさせるところは凄い。良い映画とは、答えではなく問いである、という町山さんの考えを思い出さざるをえない。

 ただ、そのテーマを描き切れたか?って言われるとどうだろう?って疑問符が残る。あまりに難しい問題だし、簡単に答えを出せないとはいえ、問いで終わってその先に行けたかな?という感じ。個人的には、もしも救いがあるとしたら、それは目に見える物、即ち誠実な人間の行動だけだと思えた。ハッキリ言って自分には手に余る作品かも。
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