「シークレット・サンシャイン」に投稿された感想・評価

なんだろうこの全体に漂うミヒャエル・ハネケ臭は……不勉強にして韓国のキリスト教の影響力の大きさとかそういうものを知らずに観てしまったので、調べてみて恥じさせられたことを告白しておく。このようなある種キリスト教に真っ向から対決するような映画を撮った勇気は賞賛に値する。とは言え、妙な力みを感じないというかお話自体は淡々と進んで行く。ドキュメンタリー映画的というか……回想シーンを特に挟むこともなく、わざとらしい過剰な演出もなく、なんとなく「厭な空気」を全体に漂わせているあたりがそっくりなような気がしたのだ。まあ、私の映画に関する知識は本当に乏しいのでアテにしないで読んで欲しいのだけれど……ハネケほど極端なロングショットも長回しも使っていないので、これに関してはいつもながら頓珍漢なことを書いてしまっているかもしれない。韓国映画には疎いのでこれからもっと勉強しようと思った次第。力作。好きにはなれないけれど。
救いの神に矛盾を感じておかしくなっていく女性の話。神は救われたい時に信じる都合のよいものではなく、きっともっと深いのだろう。女性がどう変わってゆくのか最後まで引き込まれた。
初イ・チャンドン

このレビューはネタバレを含みます

久々の韓国映画。
TSUTAYAの暗いオチコーナーに置いてありタイトルに聞き覚えがあったのでレンタル。

見終わった感想は「希望が見えてる終わりじゃない?」

確かに全体的に救われないがラストの犯人も娘が少年院にいてのクダり、こいつはなんやかんやで幸せになれないと思ったのではないのだろうか?
ただこいつに自分の変化のための髪を切らせたくないと思い、出て行ったのでは?
ラストカットはあぁここがラストカットだろうなという綺麗な落としどころ。
天ばかり仰いでいた主人公の髪が地に落ちて地を映している。何か変化を感じされるいい演出だった。
芝居のレベルも物凄く高い。
自殺未遂のシーンは本当に顔の表情がすごかった。

ドラマとしてはすごい出来だが、これは韓国映画のお約束なのか一途なモテない男性の設定がすごく鼻に着く。
お国柄なのが韓国映画はよくこの設定が出るがすごく嫌い。
あわなクレイジー女嫌になるだろ。
あいつが真犯人だったりしたらもっと面白かったかも。

とにかくあの男の主張のなさには腹がたった

このレビューはネタバレを含みます

宗教がらみと聞いていたので、これは見ねばと思いつつ見逃してきた。ちなみに「密陽」というのは実在の地名。僕は11年ほど前に住んでいたところの近くなので、方言は何となく分かる(いわゆる慶尚南道訛り)。
ネタバレはできるだけ回避しつつ、少しだけ感想を述べたいが、キリスト教の「許し」という「もっとも実行が難しいキリストの教え」がメインテーマとなっている。許し難い相手を許すにはどうすればいいか。そして、もっと大きな問題は、自分を取り巻く理不尽な運命をどう許す(受け入れる)かという問題である。
主人公はあまりにも過酷な自分の運命と、二重の神の裏切り(理不尽な運命そのものと、その理不尽さを克服しようとする努力を挫折させる)に遭い、もがき苦しむ(このあたりの演技が、チョン・ドヨンにカンヌの主演女優賞を取らせた)。このあたりに監督の宗教批判を見るのはある意味たやすいが、僕は「許そうとした傲慢さを打ち砕かれる主人公」というもう一つのテーマを読みとった。
にしても、主人公を見守る「田舎の気のいいアジョシ(おじさん)」役のソン・ガンホは素晴らしいね。彼の演技そのものも素晴らしいけど、彼の役が、この映画の中で「密かに降り注ぐ太陽の光」のように常にヒロインを見守っているのだ。どれだけ我慢強いのかw。ツンデレとかヤンデレとか、しょーもない言葉を使うのも憚られるほど面倒くさい主人公を見守っているんだぜ。この人物造形によって、この映画は完成したと言えるだろう。
にしても、これに限らず、イ・チャンドン監督はきつい作品ばかり作るよなあ・・・。
こんなに重厚な作品だとは思わず、ジャケット写真のイメージでかなり損をしている印象。
生々しい描写の多い韓国映画の中でも傑作だと思う。

生前浮気をした夫を亡くし、その夫の故郷に越してきた主人公。最初からどこか不安定な状態で危ういな…と思っていたら、なんとそこで一人息子が誘拐され殺されてしまい、そこからどんどん精神が破綻していく…

近所の誘いで宗教にのめり込んでいく様子もまた危うげ。一見自身を保っているように見えるも、行動の端々に脆さがひっそりと現れている様子や、
犯人と相対してからの本格的に崩壊していく様子も見ていて本当に辛い。

信じるものがある事自体は否定するつもりはありませんが、
それが本当の安らぎにならないのであれば意味がないな…と思わざるを得なく、
この映画の描きたかったところはそこなのかな、と個人的には感じました。
壊れてゆくシネを拒絶されても面倒みるジョンチャンこそがシネが信じるべきものであり、
ラストシーンの日差しはその象徴かなと…。
などなど、思う事多数。書ききれない。

チョン・ドヨンの繊細な演技に息を呑みました。
それをマイルドに引き立たせるソン・ガンホの好演も素晴らしい。

ふとした会話に伏線的なものが仕込んであったりと、台詞の一つ一つがここまで重厚な作品は久しぶり。
是非多くの人に見て欲しい一本。
人生のリセットと再起を図るも踏みにじられ、どうしようもなくなってすがったのが神だった。それから立て直したように思えたが子どもを殺した犯人も信心し神に許しを得たという言葉で神にすら裏切られた。神の名を借りてただけにすぎないと気がつき心は安定を失う。ひどい映画だ。ソンガンホの役がまた絶妙!
韓国映画は多分初見です。「良いのもありそうだなぁ」とか思いつつも食わず嫌いしておりましたが、一作目に本作を選んで良かったです。大当りでした。これまた好き嫌いはっきり分かれそうな映画でしたが。

正直、不勉強なため(お恥ずかしい)、韓国でのキリスト教の位置づけというのがよくわかっていないまま鑑賞してしまったのですが、かなり存在感のある宗教の一つだったのですね。邦画の方が上だの下だのしょうもない議論ではなくて、あまり日本の映画界からは出てこないような、韓国ならではのシナリオかなと思いました。新興宗教をテーマに同じような映画を作るのとはまた違った意味合いがあるでしょうから。

シーンによって枯れに枯れた感じだったり、みずみずしかったり、突如豹変したり…様々なパターンを演じきったチョン・ドヨンの演技力が素晴らしかったです。私は、蒼井優に似たものを感じたのですけれど、あまり言われていない(?)。まあ、確かにいとうあさこに似てるところもありますけれど。

終始、重苦しい話の中でソン・ガンホの存在が光ります。一歩間違うと偽善的でウザいキャラになり兼ねないところを、脚本と演技の巧みさもあって、「ホッコリ」させてくれます。
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