シークレット・サンシャインの作品情報・感想・評価

「シークレット・サンシャイン」に投稿された感想・評価

踊る猫

踊る猫の感想・評価

4.3
なんだろうこの全体に漂うミヒャエル・ハネケ臭は……不勉強にして韓国のキリスト教の影響力の大きさとかそういうものを知らずに観てしまったので、調べてみて恥じさせられたことを告白しておく。このようなある種キリスト教に真っ向から対決するような映画を撮った勇気は賞賛に値する。とは言え、妙な力みを感じないというかお話自体は淡々と進んで行く。ドキュメンタリー映画的というか……回想シーンを特に挟むこともなく、わざとらしい過剰な演出もなく、なんとなく「厭な空気」を全体に漂わせているあたりがそっくりなような気がしたのだ。まあ、私の映画に関する知識は本当に乏しいのでアテにしないで読んで欲しいのだけれど……ハネケほど極端なロングショットも長回しも使っていないので、これに関してはいつもながら頓珍漢なことを書いてしまっているかもしれない。韓国映画には疎いのでこれからもっと勉強しようと思った次第。力作。好きにはなれないけれど。
まほに

まほにの感想・評価

3.0
宗教の在り方、神の存在を考えさせられる。
救いがあるのかないのか
ソン・ガンホ演じるキム社長がいいアクセントになっていた
1234

1234の感想・評価

1.5
映画的な快楽をまるでかんじられず早々に断念
MTAK815

MTAK815の感想・評価

3.6
高評価点だったので予備知識なしで鑑賞

勝手に泣ける系韓国映画と思い込んで観てしまった結果、重かったですw
emu

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3.6
オアシスを観ようとしたら貸し出し中…
ということで、同じ監督の作品を観てみることに。
韓国映画はまだ初心者なのでイ・チャンドン監督作品も初です。

なかなか重いテーマです。。
愛するものを失った悲しみを乗り越えようとした最中、これでもかという状況でまた失う。いきついた希望は知らないことだらけの教え…宗教。しかしその宗教の矛盾がまた精神的崩壊へと導く。
とても長い作品ですが、その長さは何が不幸で幸せなのかにリアル感を増します。
ラストカットの意味、新しい道しるべを指している訳ではない気がして…正しい答えは見出せず重たい気持ちになりました。ですが観てよかったと思います。
ソン・ガンホ演じる社長さんの明るさと男らしさには救われました。
オアシスも早く観たい。
イ・チャンドンがまたもやカンヌで賞を獲得しそうということで、スルーしていたこの作品をようやく鑑賞。

オアシス同様撮り方は長回しが多いとはいえそんな好みじゃないのに、最初に家で消えたと思った子供がひょっこり姿をあらわすシーンや美容室でチョン・ドヨンが自身への不平を聞くシーン等面白味のある演出が序盤から続くから、話があまり展開しないにもかかわらず見ていられ、こういう抜け目無さがイ・チャンドンの良いところだと改めて唸った。

そして本題に入る前からこれなので、話が本筋に突入してからは一層見応えのあるものになっていて、がっつり宗教を皮肉るのは少し予想外だったけど日本では諸事情で描き難い描写が見られたのでその点も悪くはなかった。

カンヌで女優賞を受賞したチョン・ドヨンも、ちょっと変わった性格の母親を演じているのだけど子供が誘拐されたときの手や声の震え具合とか真に迫っており、こういう感情の起伏を見事に表現したからこその韓国人初の女優賞獲得となったのだなと合点がいった。

人の良いキャラのソン・ガンホも魅力的だったし、長回し撮影に則った面白い描写や演出も色々あったから2時間以上の尺でも怠くなることなくあっという間に感じられたから、つくづくイ・チャンドンの構築する世界観の見事さに感心するばかり。

しかし途中ここから始まるマイレボリューション的なシーンがあったけど、やはりあの新興宗教って韓国由来なんだろうか。
riekon

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3.0
辛い…,
チョン.ドヨンは不幸な役が似合うね〜。
sachiko

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4.5
思い出した も一度見る

このレビューはネタバレを含みます


「車」を直す男、「心」を治すのは…?


幼い息子を誘拐され殺されたシネ【チョン・ドヨン】は、キリスト教に出会い、信仰によって心の平穏を取り戻す。
服役中の犯人に「赦し」を与えようと面会に行くと、犯人も信仰に目覚めており、既に神に「赦し」を与えられた、と穏やかな表情を見せる。
これによりシネは、神の恩寵も、人間の信仰心も欺瞞ではないか?と気付き、信者を性的に誘惑する悪魔になり、天を見上げ神を挑発する。
しかし、もちろん神は応えない。
そしてシネは、ついに精神が崩壊し始め、自殺未遂に至る。
この信仰の欺瞞や無力さを暴く部分が、ショッキングであり、物語の軸となっている。

一方で、人と人との「関わり」が随所に描かれる。
シネと息子が密陽(ミリャン)に越してくる車をレッカーしたことで出会ったジョンチャン【ソン・ガンホ】。
気の良い不器用な男は、ピアノ教室開設や土地投資など、とにかく世話を焼き、教会にも通うようになる。
彼の母親は、独身男の仕事や食事を案じて、しょっちゅう電話をかけてくる。
シネは初対面のブティック店主に「内装を明るくしたほうが良い」と図々しくアドバイスし、シネの弟もジョンチャンに「アドバイスしましょう、貴方は姉のタイプじゃないです。もう会わないと思うけど、じゃあ。」と失礼な事を言う。
姉弟はソウルから来た都会人として、田舎者を見下しているところがある。
ジョンチャンは、献身的にシネに寄り添い、助けになろうとするが、最後まで結ばれるわけでも、救えるわけでもない。

信仰の「赦し」も、人との「関わり」も、シネの絶望を救済できるわけではない。
安易な結論に導かない。
それでも、どこかに一筋の光(シークレット・サンシャイン=密陽)はないのだろうか?
ラストシーン、ジョンチャンの持つ鏡の前で、髪を切るシネ。
優しく寄り添ってくれる男の助けで、自分自身の姿を見る。
彼女の髪が、陽光の落ちる汚れた中庭の地面を風に吹かれていく。

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全編を通して「車」の映像と走行音が、不吉なイメージを喚起させる仕掛けとなっている。

冒頭、車の故障から始まり、トラックに助けを求めると急ブレーキ。
ピアノ教室のポスターを貼るシネと息子、狭い車道を猛スピードで車が走る、息子がフラフラ歩くのが不安に見える。
ピアノ教室のガラス窓からも、狭い車道を多くの車が行き交うのが見える。
シネはそこを渡るたびに、左右に注意しなければならない。
息子は、犯人となる幼児塾の送迎バスに乗る。
そして、事件当日の朝は、乗るのを嫌がっている。
誘拐されて以降、茫然自失のシネは、運転中に何度も人を轢きそうになり、何度も轢かれそうになる。
そもそもシネは、夫を交通事故で亡くし、夫の故郷である密陽に越してきた。
ジョンチャンは車を直すのが仕事であるが、シネの傷ついた心を治すことができるのだろうか?

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息子を溺愛しているシネであるが、息子の髪に金髪メッシュを入れているところなど、愛情の注ぎ方は、すこし自分本位のようだ。
そして、すこし軽率な人間でもある。
この事が、物語に深みを与えている。
見栄をはって土地投資の話などしなければ…息子を置いてカラオケに行かなければ…警察に通報するか、ジョンチャンに相談していれば…と自分を責め続けたに違いない。
過去、夫は浮気していたようだが、その事実には目を逸らして、夫の故郷の密陽に越してきた。
当初、「夫に愛されていた」と信じることで喪失感を埋めていた状況が、事件後「神に愛されている」という信仰心で埋めるように変化する。
主演のチョン・ドヨンは、揺れ動く弱い人間である母親を熱演している。
なかなか、この役を演じきれる女優はいないだろう。

スポーツ中継と自宅カラオケが趣味の、気の良いおせっかい焼き、ジョンチャンを演じたソン・ガンホは、体格と面構えからして存在感が素晴らしい。

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重たいテーマを扱っており、脚本も非常に深いが、その演出アプローチには、やや物足りなさを感じる。
信者たちの集会に「嘘よ嘘よ、みんな嘘」という歌謡曲を流す嫌がらせが、終盤に突然、特大で突飛なギャグとして挿まれる。
そこまでやるのなら、序盤から、もっとブラックなギャグの積み重ねが必要なのではないか。
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