えいがうるふ

年をとった鰐のえいがうるふのネタバレレビュー・内容・結末

年をとった鰐(2005年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

福音館書店発行の絵本に個人的に思い入れがあり大切な作品なのだが、アニメ化されてYoutubeで公開されているのを知らずにいた。まさかここの「ショート・ターム」のレビューでそれを教えてもらえるとは。

もともと童話なのが信じられないほど、ほのぼの感は皆無。動画にしちゃうと音もいちいちリアルでもはや完全にホラー。

ちょっと「ガーゴイル」を思い出したが、あれよりは救いがあるのか?いや無いな。全く無い。ただただ非情で不条理だ。
なにせあちらの二人にはまだ、(とんでもない描写手法とはいえ)愛するがゆえの苦悩が描かれていたが、こっちの鰐にはそれがあまり感じられない。たいした葛藤もなく本能のまま成り行きに従っているだけに見える。

終盤の展開はさらに不可解だ。
安全な居場所を手に入れた鰐は、自省も自覚もないまま凶行を繰り返し、何不自由なく生き続ける。

ただただ、蛸が幸せであったことを祈るばかり。