風来のリヨナ

THE WAVE ウェイヴの風来のリヨナのレビュー・感想・評価

THE WAVE ウェイヴ(2008年製作の映画)
4.2
Autokratie

「”無政府主義”の実習がしたいよ〜」とごねてるライナー先生。課題作成が間に合わず結局は1週間の”独裁”の授業を受け持つことに。しゃーなし。

初日。”独裁”を知るためにロールプレイしてみよう!というユニーク実習形式で始まった授業は”指導者”を決める流れ。めんどいからライナー先生で良いよとの生徒たち「じゃあ今週は先生が独裁します」”発言には許可を”、”ベンガー様と呼べ”など少々やり過ぎだけど、和気あいあい大好評に終わった。やりがいある〜。

しかし、好評だっただけに生徒たちも悪ノリ。翌日教室にやって来たライナーを生徒一同で「ベンガー様」と迎えるなど危ういジョーク…皆で「DIE WELLE(波)」と名付けた教室の歯止めは次第にやっぱり…みたいな。

インスパイア現実な、ある教室で実際に行われ、その危険性をものの数日で発揮した”独裁”の授業の話。
授業としては本当に面白いので、跳ね返りっ子のティーンエイジャーたちが鷲掴みなのも分かる。世界一受けたい。

独裁者って「独裁者だ!」とは言われないんだなぁというのが確実にミソで、それが言えてる間は独裁なんかじゃないのかなと。愛されるんですね。崇拝というのか。そして生徒たちが自主的に動く。こわい!
最後半は下手なホラーよりもゾワッと来ますよ。

最近カービィのBDを観てるため、脳の片隅でずっとデデデ陛下が「ワシは独裁者ゾイ!」と叫んでいました。

個人的に気に入ったのは、床ドンのマーチ、新聞部過ぎる新聞部男子、ラストの緊迫感です。
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