一休

11人のカウボーイの一休のレビュー・感想・評価

11人のカウボーイ(1971年製作の映画)
4.5
実はこの映画を観るずっと前に、NHK少年ドラマシリーズで「少年カウボーイ」というドラマをやっており、そちらを先に観ていたので、初めてこの映画を見た時に「ああ、少年カウボーイじゃんか」と思ったものである。
映画の中身としては、ジョン・ウェイン演じる牧場主が、窮余の策として集めた少年達をカウボーイとしながら牛の搬送をしていく過程を描いている。
少年達は熟練の牧場主にカウボーイとしての生活・常識・正義を教わりながら、着々と一人前の仕事をするようになっていくのだが、そこへいわゆる西部の無法者が絡んで来て、牧場主は殺されて牛は盗まれてしまう。
一人前になった少年達は牛泥棒を追い、復讐を果たして牛を取り戻し、牛の搬送をやり遂げる。
話としては単純ではあるが、映画の中で少年達の成長していく様が観ている方にも楽しく感じられのだが、西部劇としては異色の部類に入るのではないだろうか。
だいたいジョン・ウェインが劇中で死んでしまうということ自体が珍しい映画であることは間違いない。
オイラの知っている中では、【リバティ・バランスを射った男】と【ラスト・シューティスト】が、ENDマークの出る前にいなくなっている映画ではあるが、前作は主演であるジェームズ・スチュアートの回想という形で話がすすんでいっており、後作は年老いたガンマンの話なので当たり前といえば当たり前の話だった。
それと比べるとこの映画では、無法者の牛泥棒に殺されるだなんて、それまでの彼の映画では見られないシチュエーションだったので、ジョン・ウェインのファンに取っては、アっと驚く展開であったように思う。
この映画からTVシリーズまで少年の一人シマロン役を通していたA・マルティネスはけっこう目立つ存在だったのに、この後の作品に恵まれなかったようで、それが残念である。
一休

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