昭和っ子

犬神家の一族の昭和っ子のレビュー・感想・評価

犬神家の一族(1976年製作の映画)
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改めて見て気づいたのですが、犬神左兵衛があの人騒がせな遺書を残したのは、子供たちに遺産をめぐる骨肉相食む争いを仕掛けるためだけだったのですね。珠代を遺産相続人に指定したのは、彼女がお気に入りだからではなく、親族の中で一番弱い立場だったから。「戦争」に食い込み莫大な富を築き上げても、何が本当にやりたかったのかわからず、寿命の果てを口惜しがりつつ子孫に強烈な悪意だけを残して逝ってしまう。その絡まった悪意の糸をほぐした金田一が「天使」という意味もわかりました。これも間違いなく反戦映画の一つだと思います。