えいがドゥロヴァウ

犬神家の一族のえいがドゥロヴァウのレビュー・感想・評価

犬神家の一族(1976年製作の映画)
3.7
横溝正史の原作は未読で金田一耕助のシリーズは初鑑賞
それでも、頭をボリボリと掻く(そしてフケを撒き散らす)クセや、オットリとして一見頼りなさげな出で立ちのイメージというのは以前から頭の中にありました
江戸川乱歩の明智小五郎(こちらは何作品か読んでおります)と比較されたり、いや小説の中で実際に対決なんかもしていたりと、引き合いに出されることがしばしば見受けられますが
明智が頭脳明晰でホームズばりの変幻自在な変装術に長けている垢抜けたキャラクターの持ち主なため、モッサリとした金田一は好対照と言えるのでしょう
更に比較を進めるなら、物語において明智は超越者であり、対する金田一は狂言回しといった印象
地道な調査によって真相を解き明かす
物腰が柔らかく犯人にも優しく話しかける姿は、古畑任三郎なんかにも大きな影響を与えているように思えました
どうなんでしょ
知りません

役者さんの表情を捉える短いカットをインサートして、人物の心の機微を表現する演出が目を引きました
分かりやすい反面、ちょっとあざとくも感じられる…
回想シーンが各々異なる視覚効果を用いているのも印象的(アレとアレを合わせたら僕が好きなノーマン・マクラーレンの「パ・ド・ドゥ」です笑)
大袈裟すぎずにサスペンスを盛り立てる音楽がすごく良かったです

ひとまず『獄門島』もNETFLIXにあったので観たいと思います
邦画を全然観ないのでこうやって観る機会を得ているのがVODの最大の恩恵かもしれませんね