桃子

犬神家の一族の桃子のレビュー・感想・評価

犬神家の一族(1976年製作の映画)
3.9
「ゴムマスク」

原作が横溝正史、監督が市川崑、主演が石坂浩二、この組み合わせで作られた映画は全部で5本。「犬神家の一族」はその第一弾だった。公開年は昭和51年(1979年)である。当時私は大学生だった。はっきりした記憶はないのだけれど、たぶん映画館に見に行ったと思う。このころ、角川映画は一大ブームを巻き起こしていた。その第一作であるこの映画は、ブームの火付け役でもあった。映画ポスターやテレビCM等で見る“湖から裸の足がV字型ににょきっと突き出している”場面は実にインパクトがあったっけ。この足の演技をしたのは、青木湖畔の旅館のご主人なんだそうである。
突き出た足と同じくらい有名なのが、スケキヨが装着していた白いゴムマスクである。ホラー映画に出てくるシリアルキラーみたいな不気味さ100%で、何も知らずに映画館で見た当時のお子さんでトラウマになった人もいたんじゃないかなあ。ゴムマスク、と言えば、最近は別のことで話題になることが多い(笑)。最近のゴムマスクは非常に精巧にできていて、パッと目にはマスクだとわからないようである。もっとも、最近のCG技術も進歩しているので、映像で見る限り、本物か偽物か、わかったものではない。
あら、話がそれてしまった。この映画は、30年後の2006年にもう1度作られている。監督はよほどこの話が好きだったのか?ちなみに、リメイク版で同じ配役は、金田一耕介役の石坂浩二だけである。
原作を読んでいないので、映画を見て原作と違う~~~と不平不満を感じることは全くなかった。だいぶ違うんだそうだ。映画を作るにあたっては、原作通りには作れないというのは仕方のないことなんだろう。
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