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犬神家の一族のEyesworthのレビュー・感想・評価

犬神家の一族(1976年製作の映画)
4.8
【血塗られた一族】

市川崑監督×横溝正史原作×石坂浩二主演の金田一シリーズの人気作の映画化。

〈あらすじ〉
旧家の名士・犬神佐兵衛の遺言状が公開されるが、莫大な遺産の相続者は佐兵衛の恩師の孫娘である野々宮珠世と結婚した者と記されていた。佐兵衛の孫にあたる3人の男はそれぞれ珠世を我が物にしようと企むのだが、やがてそれは連続殺人事件へと発展していく…。

〈所感〉
初めてこういう邦画の本格的なミステリー物見たけどすごい面白かった。仮面を付けたスケキヨ、湖に浮かぶ二本足の男はあらゆる所で引用されまくって有名ですね。自分が犬神家の一族を知ったのは、年末のガキ使で板尾創路がスケキヨの格好で現れて「イタオや…」と言うのが衝撃的すぎて覚えてるが元ネタ見れてよかった。カットバックの多様で人物の表情や心情が読み取れたり、過去を表現する白黒映像も緩急があって効果的だったように思う。内容は事件に次ぐ事件、謎がまた謎を呼ぶ展開に終始目が釘付けにされた。自分のようなミステリー音痴でもわりかしトリックの種明かしがなるほど!と思える平易なものばかりで、最後まで犯人も読めなくてハラハラ。遺産相続問題というここまで内輪なテーマを家柄や人間関係から欲得ずくめの人達を炙り出しており素晴らしい作品だなと感心させられた。ミステリー好きにもミステリー初心者にもオススメできる作品です。
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