あおや

犬神家の一族のあおやのレビュー・感想・評価

犬神家の一族(1976年製作の映画)
3.6
信州財界の大物、犬神佐兵衛のこした遺言を起点に、彼の莫大なる遺産を巡り多くの利害関係者が絡んだ遺産相続争いが巻き起こる。いわゆる“争続”のおはなしである。
佐兵衛の異母娘である犬神竹子、松子、梅子。そのそれぞれの息子・犬神佐清、佐武、佐智。佐兵衛が女中との間に身籠った青沼静馬。血縁関係はないが佐兵衛が生前気に掛けていた野々宮珠世。
とまあ多くの利害関係者の中でつぎつぎと起こる殺人事件、そこに相対する私立探偵・金田一耕助という構図。

【不気味なマスクの佐清さん】
【川に浮かぶ逆立った水死体】
【花人形に付け置かれたの生首】

小さい頃に恐怖を植え付けられたシーンの数々。これらの“恐怖アイコン”ともいえる象徴的なシーンは、月日が経っても色褪せない。これらを見るだけでも本作を見る価値はある。

佐智の死体を発見するシーンは、遺体発見史上最もポップな仕上がりとなっており思わず爆笑。

そして金田一耕助の存在感があまりにも薄くてびっくり。物語は彼がいなくても成り立つ。「謎解き」を期待してのみると物足りなく感じてしまうだろう。
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