まっつん

ヒストリー・オブ・バイオレンスのまっつんのレビュー・感想・評価

3.9
今思えば「舐めてた相手はとんでもない奴でした」映画の先駆けなのではないかと思える本作。監督は変態・デヴィッドクローネンバーグです笑。

この作品はこれまでのクローネンバーグ映画とは反転した構造を持っていると思われます。クローネンバーグ映画は登場人物が平凡な日常からバイオレントな非日常に迷い込む映画が多いです。しかし、今作では平凡な日常こそが主人公が夢見た非日常なのです。まさに裏返しの構造だと言って良いと思います。

また執拗な人体破壊描写も容赦無しです。しかもその暴力が正義のために正当化されたものであっても人体破壊の結果は同じであるということを強く打ち出しています。だから正義の暴力だとしても観客は拍手喝采を送りづらいわけです。

またこの映画には2回濡れ場が存在しますがこれは明らかな対比として描かれているように感じました。1回目は優しき家庭人として、2回目はかつての殺人マシーンとして。

さらにラストでの主人公が家族を守った英雄である、しかしその背後には大量の血が流されたという血塗られた歴史を持っているという意味ではアメリカという国の姿を描いているように思いました。