「ヒストリー・オブ・バイオレンス」に投稿された感想・評価

踊る猫
3.8
デヴィッド・クローネンバーグならではのクールな質感を伴った映像は流石である。だからここからは本当に好みの問題。前半部にもう少し丁寧に伏線を張っておけば……と惜しく思われる。いや、この映画には暴力(=「バイオレンス」)が充満している。主人公がどんな暴力沙汰に手を染めるかは言うまでもないが、息子も苛めに対抗して暴力を振るうしまたダイナーで交わされる世間話も暴力に纏わるものなのだった。セックスも含めて至るところに「暴力」の気配は漂っているが、例えば北野武映画のようにそれが不穏な雰囲気を匂わせる……というところに行かないのはクローネンバーグ監督が結局のところ「生々しい」暴力を描けない限界なのかもしれない。無機質なものを撮ってこそ映える監督が自己矛盾に挑戦したという野心作ではあるが、その野心がどれだけ成功しているかは評価に苦しむところではある。駄作だとは思わないのでこの点数に。
netfilms
4.5
 インディアナ州のうらぶれたモーテル。早朝8時、カメラはゆっくりとパンニングし、中から白いTシャツ姿の若い男ウィリアム・“ビリー”・オーサー(グレッグ・ブリック)が現れる。その後ろからゆっくりとリーランド・ジョーンズ(スティーヴン・マクハティ)が姿を見せる。「このまま東へ行くのか?」年少の男の質問にリーランドはYesとだけ呟き、チェック・アウトに向かう。ビリーはタバコを吹かしながら、いつ終わるともない長旅にげんなりした様子を見せる。受付嬢が気に障り、殺めて来たというリーランドの平然とした言葉、冷たい水を取りに戻ったビリーは扉の向こうから、聾唖の子供がこっちを指差すのを確認し、彼女の額に 躊躇なく弾を撃ち込む。一瞬のオーバー・ラップの後、悪夢にうなされ飛び起きる少女の姿。ストール家の長女サラ(ハイディ・ヘイズ)は絶叫と共に怖い夢から目覚め、びっくりした父親のトム・ストール(ヴィゴ・モーテンセン)、兄のジャック(アシュトン・ホームズ)、最後に母親のエディ(マリア・ベロ)が駆けつける。インディアナ州の田舎町ミルブルック、この地で夫婦は息子と娘の2人兄妹をもうけ、幸せな日々を過ごしていた。妻はやり手の弁護士で、夫は「ストールズ・ダイナー」という地元で大人気のコーヒー・ショップを営んでいた。息子のジャックは野球部でボビー・シンガー(カイル・シュミット)にいじめられている。ある日、トムの店の営業終了後にリーランドとビリーが現れる。平和な街に現れた2人のよそ者は、やがて暗い影を落とす。

 素性を隠し、平和に暮らす主人公、田舎町に突然現れた無頼漢、彼らに警告するサム・カーニー保安官(ピーター・マクニール)の3つ巴の描写は西部劇の構造を現代劇に見事に置き換える。過去を消して生きる男は、従業員の命の危機に際し、隠していたはずの粗暴さを垣間見せる。インディアナ州ではこの事件が瞬く間に有名になり、一家の大黒柱だったトム・ストールは地元の英雄として賞賛される。だが英雄礼賛は次第に逃げ切れなくなる父親の「ある嘘」を浮き彫りにする。第一波となるリーランドとビリー、第二波となるカール・フォガティ(エド・ハリス)の片目は歪に主人公を睨みつける。チア・ガールのコスプレで夫を誘惑したエディに浮かんだある疑念、夫は果たして優しく温和なトム・ストールなのか?それともジョーイ・キューザックなのか?お揃いの十字架のシルバーのネックレス、ブラウン管テレビを憔悴した表情で見つめる主人公の眼、納屋から決定的な暴力を目撃する時に辺りに飛ぶハエ、ショッピング・モールでウィンドウ・ショッピングをする末娘のサラを見つめるフォガティの冷たい眼差しにクローネンバーグの手癖が滲む。息子の反乱に対し、「暴力で物事を解決するな」と一蹴した父親の理性的な目論見は破綻し、絵空事となるとも知らずに。

 これまでのクローネンバーグのフィルモグラフィに通底するモチーフ、デジタルとアナログ、現実とバーチャル、強いセクシュアリティと暴力性は今作でも理性的な人間として暮らすトム・ストールの仮初めの姿を徐々に獣の欲望に連れ戻す。階段で妻を強姦する夫の常軌を逸した行動は倫理の枠を大幅に外れている。殺戮の代償としての因果は4人家族を崩壊寸前へと導き、断ち切り難いドクドクとした血縁を浮び上がらす。抑制したトーンの中に途方も無い葛藤と殺気で熱演したヴィゴ・モーテンセンの深い憂鬱、信じていた夫との関係に苦悩するマリア・ベロ、尊敬していた父親の裏の顔を知り失望する長男、まるで自身の79年作『ザ・ブルード/怒りのメタファー』のキャンディを彷彿とさせる無表情なサラの描写と金切り声。暴力の連鎖は際限なく続き一家を苦しめるが、理性的な父親から獣へと変身した主人公の壮絶な決断がただひたすら胸を締め付け、ラスト・シーンには思わず涙腺が緩む。今作はクローネンバーグのキャリアの中で『デッドゾーン』、『クラッシュ』に次ぐ自身3度目の最高到達点であり、40年以上に及ぶ見事なキャリアにおいても屈指の傑作中の傑作である。
アメリカの暴力映画、特に西部劇というのは基本的にテーマが深いものが多いんですよ。

イーストウッドの諸作も含めてただ男臭くて野蛮なだけではなく、考えさせられる哲学的な内容のものが昔から多いんです。

本作も設定的にはサム・ペキンパーの『わらの犬』を下敷きにしたような殺伐とした雰囲気だが、それ以上にジャック・ターナーのフィルムノワールの名作『過去を逃れて』の影響が強く出た作品だと感じた。

主演のヴィゴ・モーテンセンよりもギャングを演じたウィリアム・ハート、エド・ハリスのほうが遥かに強烈に印象に残る。

権力者やギャングに対するアプローチは丸々西部劇を換骨奪胎させたようなところがあり、デヴィッド・クローネンバーグはかなりの映画マニアではないかと思わせた。

クローネンバーグは同じく鬼才であるマーティン・スコセッシにも共通する暴力描写と人間の狂気を描かせれば天下一品の監督なのだが、本作は締めくくり方にどうも難がありあの後ヴィゴ一家はどういう道を辿ったのかが不明瞭なので、いささか腑に落ちないラストであった。

後半からテンションダウンしてしまったのが非常に残念な一作である。
119本目

はじまりへの旅の人が主演!!!
(気付いたのは途中…)

もうちょい暴力というか戦闘というかバイオレンスな描写が欲しかったです。

展開は思ってたよりまったりしてましたね
これ以上長いとだれるだけですね。

最後のあの表情が何を思うかは見た人にお任せしますパターンかな?
潜む暴力性がテーマの一つだと思う
時間は短くてとても見やすく
なかなか重く渋い雰囲気でそういった作品が好きな人にはかなりおすすめ
Yarrtt
3.5
繰り返される諸行は無常。
蘇る性的衝動。
な作品。


チープな血飛沫や過度な人体破壊描写と言ったクローネンバーグ的なアイコンや、超中二病設定を踏まえても、本当に考えさせられる映画。
なんか物足りなかった!
ヴィゴもいいけどやっぱりエドさん素敵。
ワカメ
4.1
どうしても見たかったんだけどレンタルなかったから 取り寄せたよシリーズ第1弾!

うん…満足‼︎
平和な日常生活を送る家族、夫の事件に巻き込まれた事を発端に 黒い過去が浮かび上がってくるという とてもわかりやすいストーリーで、終始 まったりな感じなんだけど、とても見せられました!

終わり方、すっごい好きだった٩(ˊᗜˋ*)و
あの後どうなったんだろ…
自分ならどうするかなぁ( ꒪꒫꒪)

ヴィゴ 渋い!
マリアの ボーボ ボー ボボは驚いた‼︎
殺人とセックス。

どちらも人間にある本質的な欲求。
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