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パリのランデブーのKKMXのレビュー・感想・評価

パリのランデブー(1994年製作の映画)
4.0
 『ほとりの朔子』を観たらフランス落語を観たくなり鑑賞。ロメールってホント落語だわ〜。

♪パリのランデブー、楽しいとは限らない〜♪

 と、いきなりアコーディオンの出拍子でカマしてくる本作。確かにロクでもないことばっかりだ!でも、登場人物がロクデナシだからしょうがない!観ている方は楽しいけどね〜。


 本作を観て気づいたこと。フランス落語の与太郎は2パターンの類型しかない!
 ロメールガーエーの男たちはみな与太郎で、以下のパターンに分かれます。


【フランス落語における与太郎類型】
①アンリタイプ
 とにかくセックスすることに行動原理が集約されており、やることと言えばところかまわずセックスして詭弁を弄することだけ。『海辺のポーリーヌ』のエロ珍獣アンリから。

②ピエールタイプ
 とにかくセックスしたくてたまらないがスキルがないため、女性に自分の意見を押し付けて引かれる。ピエールタイプが出てくると大した内容じゃないのに字幕量が増えてウザい。『海辺のポーリーヌ』の押し付けクソ野郎ピエールから。

 両者は成功(性交)に至れるか否かの違いはあるものの、基本的にエロしかないチンポ脳であり、ロメールガーエーに出てくる男キャラは基本チンポである(ロメール映画におけるチンポ脳の法則)。たまにちゃんとした紳士も登場するがチョイ役で、基本は与太女に引導を渡すオチ要因である。




 というわけで、本編の感想。本作は3話オムニバスなので、毎度バカバカしいお笑いを3席楽しめます。ロメールガーエーは無内容なので、これくらいの尺がちょうどいいかも。

 1席目は、女子大生が彼氏の浮気を疑うという、フランス落語の王道。彼氏は①アンリタイプなので当然浮気している。ロメールガーエーで浮気しない男は出てこないからです。
(浮気したくてもできない男は出てくるが)
 主人公の財布を拾ったパツキンサラサラロングの子が超キュート!手足も長くてもろ好みでした。主人公をナンパした男が絶妙なオチとしていい仕事してます。

 2席目は、浮気しているナオンと、浮気相手の大学教授とのイチャイチャ噺。イチャイチャするけどナオンは教授にセクロスさせない。なぜならば、この男は②ピエールタイプなので、ロメールワールドではセクロスできないからであります。
 セクロスしない代わりに、デート中話すこと話すこと。ウザいので字幕は追わなかったため、詳しい内容は不明!オチはいかにも②ピエールタイプの末路って感じでした。
 この噺はパリの名所を巡るので、なんとなく観光した気分になれました。

 3席目は、②ピエールタイプの画家が、仲良しのパツキンとデート中にブルネットの三つ編み上品美女を発見し、彼女をほっておいてストーキング開始する話。1ミリもチャンスがないのにグイグイ攻めてしかも蘊蓄まで語るのがいかにもピエールタイプ。観ていて哀れになりますねぇ〜。オチの強がりがまた爆笑。


♪いろんな物語がある〜うまくいくのも悲惨なのも〜
 泣く人もいれば〜笑う人もいる〜♪

 悲惨なのばっかりだわ!ま、自業自得ばっかだけどね。登場人物は泣く人ばかりだが、観手は笑う人ばかりだね!

 お後がよろしいようで。シェケナ!😎
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