パリのロマンスがみんな甘いわけじゃないんだって。女と男のどうにもならない3つの話。
第1話『7時のランデブー』女子大生が彼氏の浮気を疑ってそわそわ。偶然の巡り合わせとすれ違う待ち合わせ。彼氏が浮気してるかもしれないと知って一人で泣いちゃう主人公が可愛いし正座して電話するとこも可愛い。女友だちに会う時と街へ出る時とで服装のテイストが違う。手持ちカメラの移動撮影がラフ。
第2話『パリのベンチ』恋人への愛が冷めちゃった女の子と年上の男。2人がやるのは散歩とキスだけ。「彼は散歩もしないしキスもしない。彼とやる事はあなたとはやらない」「彼と何もしなくなったら？」「あなたとすべてするかもね」微妙な関係でキープされちゃう男も悲哀に満ちてる。女のズルさも分かっているのに。でも穴埋め要員とのパリの散歩はいい感じ。観光客のフリして遊ぶ。マジックアワーとパリの相性の良さ。
第3話『母と子 1907年』画家が知り合いの紹介でスウェーデン娘をガイド。パリの色のなさが好きな画家とカラフルな街が好きな女の子。彼女をピカソ美術館へ送った画家は帰る道すがら女性とすれ違う。道を歩いてるだけの画が何故か面白い。すれ違う瞬間の高まり。女性をアトリエへ誘ってからの部屋の行ったり来たりが巧妙。動線設計とフレーミングがいつも上手い。「全ての女性が僕の仲人役になろうとする」と「絵が好きだから絵で苦しんでる人とはいたくない」がいい台詞。夜のカフェでの待ちぼうけと電話ボックスにムードがある。少し見方を変えれば「今日も無駄じゃなかったかな」と。
