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パリのランデブーのikumuraのレビュー・感想・評価

パリのランデブー(1994年製作の映画)
3.8
【こういうの好きなんだよなあ】
100レビュー目を記念して、そろそろロメールにも手を出そうかなあ、なんて。
学生時代はちょろちょろっとヌーヴェルヴァーグも見たりなんかして、
(むしろハリウッド映画を全然見なかった)
特にトリュフォーは結構見てたんだけど、なぜかロメールはあんま見なかったんですよねえ。
グレースと公爵くらいかなあ。あれはちょっと異色ですしね。

それはとにかく、これ、パリを舞台に男女のちょっともどかしい恋愛模様を描いたオムニバスなんですけど、
いかにもフランス映画、っていう、男女がよく喋って、誘惑したり思わせぶりな顔をしたり、ハイハイお洒落ですね〜、
って、最近の僕がいかにも揶揄しそうなやつなんですが、
これがとてもいいんだなあ。
ロメール先生、さすがです!

もう大御所になったロメールの映画なのに、
16mmカメラで撮った、手作り風の作品。
出てくる俳優陣も、美男美女揃いなのに、どこにでもいそうで、
とてもリアルな表情が捉えられていて、一緒にパリの街に溶け込んだような気分になれる。

ちょっとずつ上手くいかない恋愛模様も、
「あ〜、あるよね〜、そういうの」っていうのが、
若い学生から、ちょっとおじさんになりかけの画家まで、
それぞれの年齢や身の丈にあった形で絶妙に描かれてて、
大したドラマはないんだけど、大好き。

「パリジェンヌは服を10着しか持たない」みたいな記事が流行るけど、
出てくる女の子はみんなシンプルなのにお洒落ですよね。
特に第二話の、季節の進行に合わせて変わっていく服装が、
男の方とも合わせて、見ていて楽しかった。

唯一引っかかるのは、
男はみんな基本的に情けないんだけど、
街角でナンパしたり、ちょっと押しが強目になったりしても、
まあ結局上手く行くかは別にして、女の子の方が上手くあしらってくれる、
っていうのは、男の願望なのかな〜結局は。なんて。
まあここに出てくるのはみんな(多少くたびれてても)イケメンだけどね。
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