家族もの。離婚とか不倫とかドロドロしてるんだけど、ジメジメしていないところが気持ちいい。ここは原作の雰囲気にも近い気がする（あまり覚えてない）
田中邦衛がむちゃくちゃカッコいいけど、クズなところがいい。
それに比べて子供がとても聡くて、純真で、一番大人びている気がする。
知らず子供達に支えられてゆく母親のお話。
印象に残ったのはラストの家族でテーブルを囲むカット、溜息が出るほど巧かった。
丸いテーブルに四人が腰掛け、そこにもう一つ余った席がある。これが旦那の不倫相手を示唆して、そこに彼女がいないことが浮き彫りになる。
サークルを描かんとする線は欠けて結ばれないが、そのいびつな形をこそ肯定するような図。
そして田中邦衛の「綺麗だよ」という言葉に、呆れたように優しく微笑む妻の表情がたまらない。
原作が好きだったはずなんだけど内容がほとんど思い返せなかったので、この機会に映画を観た。やっぱいい作品だ。それはおそらく時代の空気が背景にあるからこそで、この話をまんま現代ではやれないかもしれないけど。
