おおさこ

子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつるのおおさこのレビュー・感想・評価

3.5
〝悪そうなヤツらはだいたい・・・〟

「ちゃーーん!」で有名な子連れ狼の一作目です。
開巻そうそうにおっぱいポロリ、そして手足バッサリ、首ゴロリ・・・。話が早いというか、とても分かってらっしゃる映画でした。
主演の若山富三郎のツラ、悪役のツラ、大変脂ギッシュ。あぶらとり紙差入れしたいくらい。けれど、どいつもこいもカッコ良かった。背負ってる顔つき。悪そうなヤツらはだいたい悪い、というストレートさも良かったです。

お話しは、徳川幕府公認の介錯人(切腹した人の首を切る人)拝一刀が柳生一族にハメられて大五郎以外の一族を惨殺された上に幕府からも追われる身となり・・・と言うモノです。
オープニングで介錯する相手は殿と言われてるけど、まだまだ3、4歳の小ちゃな子。この時代の過酷さと、この作品の覚悟を同時に示す見事な演出でした。柳生一族の企てを知った拝一刀が、復讐の旅に大五郎を連れて行くかを決めるシーンがあります。なんと、畳に突き刺した刀と真っ赤な鞠、好きな方を選べと。刀を選べば共に修羅の道を、鞠を選べば母の待つ黄泉の国へ・・・。うーーん、このオリジナルな教育論、過激過ぎて参考にならんわ!このシーンは鞠つきをする女の子の姿からのフラッシュバックになっていました。実にスマートでカッコ良い流れ。セックスシーンになると何故か湯気がモクモクと上がると言う詩的な演出もありました。あっ、エッチなシーンはしっかりと定期的に挟さんであり、とことん顧客満足度を優先したものとなっております。

監督は三隅研次、プロデュースは勝新太郎です。公開時は座頭市と二本立て。劇場の熱気凄そうですね。
ラストの立ち回りの俊敏さは流石の一言。若山富三郎は原作者宅に乗り込んで、殺陣を見てもらい主演の座をゲットしたらしいですが、それも納得の出来です。
ペンキみたいな真っ赤でこってりした血が、これでもかぁーー!と吹き出るので覚悟の程を。
タランティーノもファンだと言う、この元祖スプラッター映画おすすめです。