けんたろう

モスラのけんたろうのレビュー・感想・評価

モスラ(1961年製作の映画)
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出てくる外人という外人、全員胡散臭いおはなし。


モスラ。ダムを破壊する彼(彼女か?)は、果たして近代化の犠牲にされし村々の代弁者なんであろうか。とかくダムだけではない。日本近代化の象徴とも云える東京タワーをも破壊し、あろうことか其処に巣食いて最後の変態を試みるモスラ。
「そうだそうだ!自然を食い潰して進歩とやらを遂げてきた此んな国、食い潰しちまえ!なにぃ?罪なき人々だって!?何言ってやがんだコノヤロウ!頼むモスラ!全滅だ!」
などと思うてしまうたが、然し意外と叶わず。

そうして遠き地ロリシカ(ロシアとアメリカが融合したのかしら)にまで飛んで、其の地の悉くを吹き飛ばしてしまうモスラ。
「おいモスラ!まだだ!もうアメリカなんて全部吹き飛ばしちまえ!経済からの解放だ!」
又もや叶わず。つまるところ、物足りなさを感じてしまった。

とはいえ、やはり壮大な物語。
本当に特撮かしらと訝んでしまうほどの凄い技術に圧倒されたのは言わずもがな、新聞記者らの人間ドラマも中々面白くて楽しめる。序曲を聴くことが叶うたのも好く、久しぶりの映画館にたいへん満足。