ポール・バーホーベン監督。
彼の“ブラックユーモア”は、
本作で遺憾なく発揮される。
最大の見どころは劇中の番組とCM。
たっぷりとブラックユーモアがある。
『メディア・ブレイク・ワールド・ニュース』
本当のニュース番組と思えるぐらいの出来映え。
冒頭はこのニュース番組から世界観を説明する。
『ヤマハのスポーツ心臓』
ファミリー心臓センターは、
1年保証付きローンも有り、
免税医療品の認定があって、
「安心して、お任せを」
『NUKEM』
バトラー・ブラザーズ、
ホログラムのゲームで、
核攻撃で敵を倒します。
「警報発令!警報発令!」
娘「ちょっと、国境侵犯よ」
母「あなたこそミサイルを」
息子「パキスタンが国境に」
父「軍の援助はないんだ」
『SUX6000』
悪役も好きないい車の宣伝。
「大きいことはいい事です」
「これぞ、アメリカの伝統」
市長が捕まった時には、
くれぐれもカー・コンボだけはダメ。
犯人を刺激してしまう。
トイレはカードで入る。
その際には上司の悪口は禁句である。
なぜなら大をしている。
主人公のロボコップは蘇生したワケじゃない。
正式には死体のまま活動しているだけである。
だから死人の一部を機械の部品に使っていて、
生前の意識を持って活動しているだけである。
演じたピーター・ウェラーはパントマイムの特訓も、
スーツを着てみたら思うように動けずまた特訓した。
マーフィの時もいいが、
やっぱり、ロボコップ。
見ないで敵を撃ち殺す。
それがカッコいいんだ。
そして、本作で一番語りたいのは悪役、
警官殺しクラレンス・ボディカーです。
演じているのはカートウッド・スミス。
彼のセリフはすべて名言だと思います。
強烈なヒーローの前にカリスマ性のある悪役。
それこそはクラレンス・ボディカーという男。
一番気に入っているセリフは、
「てめえのそのきたねえケツに白い粉を詰め込んで」
「白いクソをさせる事ができるんだ」
サルに向けて放ったセリフで、
「お、銃、銃、銃か」
「どうしたサル。タイガースの試合だぜ、今夜はよ」
「見逃したくねんだ」
緊張した場面を切り抜けます。
最後まで堂々とした態度じゃなく、
ロボコップを前にして弱きになる。
これもクラレンスの魅力でもあり、
勝てる時の強気な態度も魅力的だ。
本作は確かにB級映画の域であろう。
だけど、超大作にも引けを取らない。
娯楽作として素晴らしい構成である。
リメイク版など目じゃないのです。
クラレンス・ボディカーのおかげ。
この悪役はシリーズ最高なのです。
「1ドルで楽しむべ」
MY-39