あきしげ

ロボコップのあきしげのレビュー・感想・評価

ロボコップ(1987年製作の映画)
3.5
ポール・バーホーベン監督。
彼の“ブラックユーモア”は、
本作で遺憾なく発揮される。

最大の見どころは劇中の番組とCM。
たっぷりとブラックユーモアがある。

『メディア・ブレイク・ワールド・ニュース』
本当のニュース番組と思えるぐらいの出来映え。
冒頭はこのニュース番組から世界観を説明する。

『ヤマハのスポーツ心臓』
ファミリー心臓センターは、
1年保証付きローンも有り、
免税医療品の認定があって、
「安心して、お任せを」

『NUKEM』
バトラー・ブラザーズ、
ホログラムのゲームで、
核攻撃で敵を倒します。
「警報発令!警報発令!」
娘「ちょっと、国境侵犯よ」
母「あなたこそミサイルを」
息子「パキスタンが国境に」
父「軍の援助はないんだ」

『SUX6000』
悪役も好きないい車の宣伝。
「大きいことはいい事です」
「これぞ、アメリカの伝統」

市長が捕まった時には、
くれぐれもカー・コンボだけはダメ。
犯人を刺激してしまう。

トイレはカードで入る。
その際には上司の悪口は禁句である。
なぜなら大をしている。

主人公のロボコップは蘇生したワケじゃない。
正式には死体のまま活動しているだけである。
だから死人の一部を機械の部品に使っていて、
生前の意識を持って活動しているだけである。

演じたピーター・ウェラーはパントマイムの特訓も、
スーツを着てみたら思うように動けずまた特訓した。

マーフィの時もいいが、
やっぱり、ロボコップ。
見ないで敵を撃ち殺す。
それがカッコいいんだ。

そして、本作で一番語りたいのは悪役、
警官殺しクラレンス・ボディカーです。
演じているのはカートウッド・スミス。
彼のセリフはすべて名言だと思います。

強烈なヒーローの前にカリスマ性のある悪役。
それこそはクラレンス・ボディカーという男。

一番気に入っているセリフは、
「てめえのそのきたねえケツに白い粉を詰め込んで」
「白いクソをさせる事ができるんだ」
サルに向けて放ったセリフで、
「お、銃、銃、銃か」
「どうしたサル。タイガースの試合だぜ、今夜はよ」
「見逃したくねんだ」
緊張した場面を切り抜けます。

最後まで堂々とした態度じゃなく、
ロボコップを前にして弱きになる。
これもクラレンスの魅力でもあり、
勝てる時の強気な態度も魅力的だ。

本作は確かにB級映画の域であろう。
だけど、超大作にも引けを取らない。
娯楽作として素晴らしい構成である。

リメイク版など目じゃないのです。
クラレンス・ボディカーのおかげ。
この悪役はシリーズ最高なのです。

「1ドルで楽しむべ」

MY-39
あきしげ

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