YUZO

ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホームのYUZOのレビュー・感想・評価

4.1
ノーベル文学賞受賞とフジロック出演を記念しての鑑賞。
ドキュメンタリー映画として210分もありながら、ディランの歴史のほんの一握りを切り取った記録にすぎない。ウディ・ガスリーに憧れたディランのルーツがわかった。
随所に流れる当時のライブ映像がむちゃくちゃかっこいい。この時期のディランは創作、ルックス、ライブとすべてにおいて神懸かってる。

フォークからロックへの転換期はファンから批判を受けたことはこれまでにもいろんな記事で読んだことがあったが、ライブ会場でのファンからのブーイングや辛辣な感想、マスコミのインタビューなど想像を超えた批判を受けてることが興味深かった。長年活動を続けるミュージシャンにとって方向転換することは往々にしてあること。現在ではマスコミが記事で批判することあっても、ライブ会場に足を運んだファンがここまで批判することなどまずない。これも時代を反映してるんだろうか。この時期のディランは時代の社会情勢を代弁する表現者としての役割を担っており、ミュージシャンを超えた存在であったと思う。批判を受けながらも、ライブに挑む姿とインタビュアーに応える姿にディランの覚悟を見た。だからこそリリースしたbringing以降の三部作はディランだけでなくロック史において重要な意味を持つ作品となってる。
フジロック参戦前に観ることができてよかった。
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