大虐殺の作品情報・感想・評価

『大虐殺』に投稿された感想・評価

冒頭の関東大震災からの朝鮮人&社会主義者の大虐殺は凄惨で迫力があり「これはしんどい内容だな」と思ったが、天知茂がテロを起こそうと苦悩し実践する展開になると空気が一変。
隙のある脚本に愛嬌を感じた。
O次郎

O次郎の感想・評価

3.7
扱う題材の重さに対してあまりにも行き当たりばったりな展開と演出か...


 とにかく、冒頭15分の朝鮮人虐殺の場面があまりにも明け透けで圧倒されます。大震災による不安からの流言飛語を容易く信じ込んだ民衆と、それを宥めるという目的のためになんの深謀遠慮も無く軍部が朝鮮系の人々を捕縛して銃殺し、その銃声と悲鳴が問題になると今度はトラックに乗せて河原で開放すると見せかけてまたしても銃殺と火を放っての証拠隠滅…。
 肉の焦げる匂いに鼻を摘む現場の軍部高官の描写が示すように、センセーショナルな内容をただ興行収入の一点目標ゆえに採用した当時の新東宝の製作方針が想起され、ただただ啞然です。
 その後はようやく地獄絵図から移行しての天知さん演じる若き無政府主義者古川の悪戦苦闘劇ですが、同志を無残に殺されて己の一方的なヒロイズムで思考を単純化・先鋭化させ、想い人をはじめとした人間関係を整理し、女を買って恐怖を紛らわせつつ決心を決め、勝ち目の無い絶望的な闘いに身を投じる・・・つまりは相手とするところが違うだけで、まるでヤクザの鉄砲玉そのものです。
 新文芸坐トークショーではテロの軍資金集めのための銀行家襲撃の様子のチープさや、終盤の陸軍省襲撃シークエンスでの見張りの薄さにツッコミを入れてそのへんの緩さを楽しみ処に挙げられておりましたが、出自や経緯は違えど暴力装置に頼る輩が辿る道は同じ、という真理が端的に顕れているところは、本作の真面目に評価すべき点かとも思いました。


noteに詳しい記事を書いたのでよかったら読んでちょ。
https://note.com/o_jiro0704/n/n274ab3b49801
新文芸坐で勝利者の復讐と二本立てで鑑賞
本作の天知茂はどことなく破戒の間宮祥太朗に似ているような。見た目がね。
天知茂特集2本立て
『勝利者の復讐』『大虐殺』

トークイベントあり
上坂すみれさん(声優)
春日太一さん(映画史・時代劇研究家)

最初に観た『勝利者の復讐』の配役が同じ役者さんで、良い人が悪い人になっていたり、その逆だったりで、混乱しつつ、やっぱりラフな脚本でツメが甘いところが微笑ましい。

新東宝の柔軟さとコンプライアンスのなさがすごい。
そして、天知茂はなぜか不幸な役が多い。
zucca

zuccaの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

最初の関東大震災の再現に力が入っていてよかった
中盤はダレたのと、ちょっと緊張感やリアリティが足りなかった
ぴよ

ぴよの感想・評価

-
(BD)
冒頭の虐殺シーンは『アクト・オブ・キリング』のような嫌らしさに達している。

題材も導入も力強いのに、新東宝らしく脚本の詰めが甘い。
Gocta

Goctaの感想・評価

-
関東大震災後の朝鮮人や社会主義者虐殺、大杉栄殺害をきっかけに、大杉栄の弟子たちが軍に対するテロを行おうとする、実話に基づく映画。面白く観れた。

現代社会にも通じるが、暴力には暴力でという考えは怖い。
あや

あやの感想・評価

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しんどいのに抜けてる
野井

野井の感想・評価

3.0
関東大震災で混乱を扇動した疑いで殺された大杉栄の弟子がテロリストになる話。
大正末期のアナキスト集団”ギロチン社”の実録映画。自分の知る限り、邦画で唯一”関東大震災朝鮮人大量虐殺事件”を再現している作品。

ギロチン社メンバーの名が少しずつ変えられるなど脚色はあるものの、史実はふまえられている。主役は古田大二郎(天知茂)。なぜか中浜 哲にあたる人物は登場しない。映画は関東大震災から始まり、それに乗じた”朝鮮人大量虐殺事件”、”甘粕事件”(甘粕正彦憲兵大尉がアナキスト大杉栄、伊藤野枝、6歳の甥を虐殺)が克明に描かれる。これを受けて権力打倒の炎を燃やしたギロチン社が決起するという構図で、憲兵隊はいかにも憎々しい悪役として描かれる。しかし勧善懲悪ではなく、テロで一般人を巻き添えにした古田の苦悩やテロ活動を批判する古田の友人を配すことで客観的バランスを取り、主役に共感を見せつつもその愚かさを描いている。

タブーを恐れない新東宝(大蔵社長)にしかできない貴重な企画。映画の作りもしっかりしていて面白く観る事が出来た。ギロチン社を真っ向から描いた映画は少ない。「日本暗殺秘録」(1969)は短パートのみ。「菊とギロチン」(2018)でも取り上げられているが演出が入りすぎていた。

安倍元総理テロ事件に対する今の日本の空気を見ていると、本作のようなバランス感覚の映画は制作不可能だろう。「忠臣蔵」はテロを勧善懲悪として描いたものだが、今後取り扱いは変わって行くのだろうか?

★追記
本レビュー後にネットで、森達也監督が関東大震災直後の虐殺を題材にした「福田村事件(仮題)」のクラウドファンディグを始めているのを知った。ぜひ実現を望みたい。

※本作でのギロチン社メンバー名変更
古田大次郎→古川大二郎
和田久太郎→和久田進
村木源次→村上源太郎

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