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絞殺のはのレビュー・感想・評価

絞殺(1979年製作の映画)
3.7
優等生だった高校生の息子が家庭内暴力に走り、母を犯そうとまでしたところから、追い詰められた両親が息子を殺す。
息子を殺した両親は、世間からの善意という名の暴力に晒される。

実話ベース、エディプスコンプレックスの話。
この作品を観て、父親を批判してる意見にはわりとえぇ〜って感じ。
だってこの父親もいきなりこの人格で突然世界に発生したわけじゃないから。
父親も「そのように育てられた子ども」の成長した姿でしかなく、自分が幼い頃から教えられてきた価値観、正義感に頑なに従った真面目な人間に過ぎない。
答え合わせを見たあとの人間が、答えを知らず暗中模索している人間を責めるのはおかしなことだと思う。
父親には純粋に、我が子の将来を案ずる気持ちしかなかったと考えるのが自然。

冒頭からクライマックスで普通に楽しめた。
古い映画あんまり好きじゃなかったんだけど、この作品が自分の中で古い作品に対するターニングポイントになるかも?

しかし雪の上で性行為とは、この作品も雪国の寒さ舐め過ぎ。

以下ネタバレ含む感想









普通に母親の気持ち悪さを描いた作品だと思うし、こうなったのってほとんど母親のせいだと思うんだけど…
息子の彼女をライバルとして排除、息子には恋人のように接して父との対立を煽るとか。
死んだ息子のベッドで自慰行為とかにわかりやすく描かれてると思うんだが。
そして原因である妻が、愚直なだけの夫を責める。

ただ、母にしてもお見合い結婚で、自分の思う理想の男性像を、歳の離れた老人でしかない夫の中に見出せなかったという背景があるんでしょうね。
だから息子にそれを求めて歪んでしまった。
時代による歪みが見れて面白かったです。

てかジャケにオチまで書いてある作品で、一観客である自分がネタバレに配慮してるのウケる。
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