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RONINのmikanmcsのレビュー・感想・評価

RONIN(1998年製作の映画)
5.0
2022年初からFilmarksを始めて記念すべき200本目!何見ようかな~と迷いに迷って、個人的には大大大好きなんだけど世間的には評価がイマイチの本作をチョイスしました。

ワタクシがなぜ本作を好きかというと、本作には昭和のスパイ/冒険小説の匂いが満ちているからです。「深夜プラスワン」「鷲は舞い降りた」「燃える男」など、昭和の時代に全盛だった冒険小説は、今は回顧されることもなく忘れ去られようとしていますが、ミッションを請け負ったプロフェッショナルな男たちの矜持と熱い戦いに胸を踊らせ、徹夜で本を読みまくったのが懐かしいです。本作は導入部のパリ/モンマルトルの居酒屋のシーンから、もうあの世界の空気が満ち満ちていて、冒険小説好きにはたまりません!

正直、タイトルである「RONIN」に関するウンチクもお話の筋もケースの中身もどうでもよくて、「仕事」を請け負ったプロたちの行動と矜持、友情と裏切り、熱いチェイスを見ているだけで胸が高まります。さらに舞台がパリ~ニース~アルルとフランス各地を転々とするのも豪華でうれしいです。(ちなみにアルルではゴッホの「夜のカフェテラス」で有名な黄色いカフェがちらっと映ります)やはりサスペンス/アクション映画の舞台はヨーロッパに限りますねえ。。。もし本作の舞台がアメリカだったら、叙情もへったくれもないハードでドライな感じになってしまったでしょう。

デ・ニーロ、ジャン・レノは当然ながら最高に渋いですが、それ以外のメンツも一癖ありそうな奴ばかりで最高です。さらに監督が「漢」ジョン・フランケンハイマーとなればアクションも筋金入り。クライマックスのパリの高速道路の逆走もすごいのですが、中盤、ニースの山沿いの道でデ・ニーロがバズーカをぶっ放すシーンはデニーロが車から振り落とされそうになるほどのすごい迫力で、まじで最高です。先行する敵の車がバズーカでぶっ飛ばされた瞬間、すごいカタルシスを感じました。これをCGなし/コマ落としなしでそのまま撮ってるそうですから、やっぱフランケンハイマーすごいわ。。。

本作は1998年の作品ですが、後年、本作の「匂い」や「雰囲気」は「ボーン・アイデンティティ」(2003)に受け継がれたように思います。(もっとも、「ボーン」は原作がロバート・ラドラムの傑作スパイ・スリラー小説(「暗殺者」)ですので、映画がそれっぽいのもアタリマエですが)

Filmarksの点を見ると本作はあまり評価されていないようですが、ワタクシ的には何度見ても★★★★★です!まじ、この雰囲気はたまらん。。。
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