中庭

燃える惑星 大宇宙基地の中庭のネタバレレビュー・内容・結末

燃える惑星 大宇宙基地(1960年製作の映画)
1.8

このレビューはネタバレを含みます

宇宙へ飛び立ってからの発狂しそうなほど閉塞的な画つなぎと、地上のあらゆるショットの自然さと豪華さが交互に配置される。
何度も現れるコックピットの椅子倒しのギミックを俯瞰するキャメラの構図により、画面上の肉体が重力演出を用いずに倒立する魅惑的なショットが、おそらくソ連の作家の狙いを離れたところでSF的な想像力を駆り立てていた(シャトルの離着陸時など大事なところほど重力の存在に気配りがないが、邦題にあるように、大宇宙基地の構造の写し方にこそ重心が置かれているようにもみえる)。
この映画の破天荒なところは、言うまでもなく、主要人物たちが地球外生物を「見ない」ことだ。国家間の諍いは、人外の生物の骨肉の争いを通して間接的に阻止され(目の当たりにするのは唯一の被害者ポールと観客のみ)、あの非説明的かつ平和な結末が訪れる体裁をなしているのだから。
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