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マイ・ルームのTAKAのレビュー・感想・評価

マイ・ルーム(1996年製作の映画)
3.7
20年来疎遠だった姉妹が再会し、反発しあいながらも徐々に心を通わせ始める。
寝たきりの父の介護は家族中の厄介な難題だが、時折見せる無垢な笑顔に引き込まれるように、家族が集まる中心となる ーそれまでの20年間の穴を埋めるように。

ダイアン・キートンの姉とメリル・ストリープの妹。
姉の主治医にロバート・デ・ニーロ。
妹の子で、非行の度が過ぎて精神病院で過ごし、やがて18歳になる役が好演のレオナルド・ディカプリオ。
役者が揃ってストーリーに重厚さが加わっている。
まだ実年齢22歳で翌年には「タイタニック」に抜擢されるディカプリオが、弾けた演技で全体を不安にさせたり、ホッコリさせたりのバロメーターとなっている。

この映画は、家族の介護や看取りの問題に直面する核家族化の進んだ現代の、誰にも当てはまる不安に共感ができるテーマが軸となっている。
劇中にも出てくるが、サービスの行き届いた介護ホームもあるが、介護を共有しつつ家族が集う場所としての機能が果たされれば、それこそ人間らしい生き方ができる。そんな思いにさせてくれるドラマとして素晴らしい作品だ。

蛇足 :タイトルは、原題の"Marvin's Room"でいいのに、それでこそ意味が伝わるのに、なぜ意味不明な「マイルーム」にするんだろうか。。ほんまに日本の配給会社ってなんでここまで変えてしまうんだろう。
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