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マイ・ルームのnozomiのレビュー・感想・評価

マイ・ルーム(1996年製作の映画)
4.1

家族の確執を描いた作品。

ベッシー(ダイアン・キートン)は20年間、働きながら寝たきりの父マーヴィンと身体の不自由な伯母ルースの世話に明け暮れる毎日。気がつけば独身のまま、中年を過ぎていた。

ある日身体の不調を感じたベッシーは病院で診察を受けると、白血病と診断される。

ウァリー医師(ロバート・デ・ニーロ)に骨髄移植を勧められ、親に反発して家を出たまま、17年間音信不通だった妹のリー(メリル・ストリープ)に連絡をとる。

美容師のリーは、レーサーだった夫と離婚後、シングルマザーとして二人の息子を育てている。もうすぐ18歳になる問題児の長男ハンク(レオナルド・ディカプリオ)が自宅に放火し全焼。ベッシーの連絡を受け、精神病院に収監中のハンクと次男のチャーリーを連れて、フロリダのマーヴィンの家へと向かう。

介護の問題、複雑な姉妹関係、精神病の長男と自閉の次男を抱えるシングルマザー、そして突然白血病を発症した姉…これでもかと思う位に重いテーマをかさねているのに、どこかユーモアを感じるヒューマン・ドラマ。

17年振りに再会した姉妹のぎこちないやりとりや、不器用な母子のやりとりがリアルでした。心配だからハンクをきつく怒ってしまうリーの気持ちも、否定されていると感じて反発してしまうハンクの気持ちもよく分かる。素直に話すことって簡単なようで難しい。

パッケージに描かれている、車で海岸を走るシーンがとても素敵でした。ダイアン・キートンの笑顔は国宝級。メリル・ストリープはさすがの演技。ディカプリオはカッコ良すぎです。デニーロはもうちょっと見せ場があってもよかったかも(笑)。

この家族はこれからも迷いながら手探りで生きていくのだろうと、そう感じられるラストだったけれど、劇中のあのキラキラした鏡みたいに光が射し込んでいくと良いな、と願わずにはいられない。
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