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ソナチネのkatsuのレビュー・感想・評価

ソナチネ(1993年製作の映画)
4.7
素晴らしくセンスのある映画だった。
北野武監督の凄さがよく分かる一作。
無駄がなく伏線をしっかり回収し、生と死を哀愁と暴力で描いている。
暴力団の抗争であまりにも呆気なく死んでいく仲間たちと当たり前のように飛び交う赤い血飛沫、わざと動揺や恐怖を感じる演技を排除しているためより一層恐怖が引き立つ。それに対比して楽園のような沖縄の青い空と海、そこで子供のようにはしゃぐ武や子分たち。
生のシーンなのにすぐ隣にいる死を感じさせる。
打ち上げ花火を撃ち合うシーンや赤いハイビスカスの花が青い空に舞うシーンなど画的にも美しい印象的なシーンが多い。
唯一の珍しく説明的な武が死について語るシーンも見どころ。
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