イザナギ

ソナチネのイザナギのレビュー・感想・評価

ソナチネ(1993年製作の映画)
4.5
都会での場面は、乾いた冷酷な場面が続く(クレーンのシーン、トイレのシーン等)のに対して、沖縄でのシーンは序盤を除けば、全体的にのんびりしている。

と言うのも、組同士の抗争から逃げ、移り住んでみたものの、やる事が無く暇をもて余してるヤクザ達が、紙相撲・ロシアンルーレット・ウィリアムテルごっこ・ロケット花火戦争(時々チャカ🔫)と、遊び呆けて、文字通り童心に帰っていく。

そんな中、村川(ビートたけし)がある女性幸と知り合い(出会い方は最悪)、幸は村川に好意を寄せていく。(あの出会い方で村川に好意を寄せる時点でまあぶっ飛んでるなぁとしか思えない笑)

そして、
ある出来事を境に、
物語は、ゆっくりと
そして着実に終わりへと
向かっていく。

組同士の抗争に、巻き込まれた村川達が迎える結末はいかに・・・
(続きは本編にてお楽しみ下さい。)

今は亡き大杉漣さん
寺島進さん
渡辺哲さん
矢島健一さん
と好きな役者さんが勢揃い。
演技に文句なし❗

人間版紙相撲のシーンで、早回ししてみたり、南方さんが赤い花びらを空に舞い上げたシーンと赤いフリスビーが飛ぶシーンを繋げてみたり、映像的な演出の仕方も面白いなぁと思いました。

あと、たけし映画ならではの、バイオレンスムービーなのに笑ってしまう(全部ブラックジョーク)要素は、健在。

個人的には、
村川が高橋をトイレでボッコボコ
→後のシーンで
村川『俺がくたばったら、お前嬉しいだろ?』
高橋『ああ。安心して便所行けるしよ』
(このああ。の言い回しが絶品)

村川『ハハハハハハ❗』

と終盤の下っ端が車を爆破した後にたけしの台詞『車爆破したら、どうやって帰るんだよー』がツボでした(笑)

ヤクザ映画なのに、全体的にSensitiveな雰囲気に包まれているなんだか夢を見たような不思議な作品でした。
イザナギ

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