kazマックスグローバーレッド

地球に落ちて来た男のkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

地球に落ちて来た男(1976年製作の映画)
3.6
異国の地に居る宇宙人。英国人を装ったニュートンが特許を取得しアメリカで大富豪になり、故郷の星へ帰る術を模索する。デヴィッド・ボウイ自身が異世界の顔立ちをしてるから宇宙人役が似合っていた。

時間の経過を具体的に描かずに感覚で表現していて、ニュートンの時間は地球人の時間と異なることを見ている側が読み取らなければならない。


アメリカで最初に外国人の労働を許可したニューメキシコ州が舞台で、ロズウェル事件でも宇宙人にゆかりのある土地っていうのが色々と意味があるのでしょう。最近『ブレイキング・バッド』で毎週見ているアルバカーキの街が拠点です。

恋人のメアリーが英国人ニュートンに「あなたなんて宇宙人よ」って台詞は もはやイングリッシュマン・イン・ニューメキシコ。「 I'm an Alien , I'm a legal Alien ♫」ってニューヨークだったらスティングの曲になるとこでした。
ニコラス・ローグ監督曰く「アメリカに居る英国人はまるで宇宙人(エイリアン)です」と言っていたので少なからずスティングの曲にも影響を与えているのかも。
この異色SF映画の撮影中には まだ幼い息子ダンカン・ジョーンズも一緒に現場にいたので、こちらは異色SF映画を監督する将来に影響を与えていたかもしれない。

ボウイの楽曲「スペース・オディティ」を聴きながら書かれたという本作の脚本。この曲は地球にいる管制塔員と宇宙にいるトム少佐のやり取りを歌っただけの曲。映画の中でロケットに乗り込むシーンはトム少佐のイメージなのだろうか。そう言えば90年代のボウイの曲「ハロー・スペースボーイ」の歌詞にもトム少佐が出てきたのを思い出しました。


スピルバーグ監督の映画以前に危害を加えない良い宇宙人を描いていた前衛的な『地球に落ちて来た男』。でもデヴィッド・ボウイのイチモツがボカシ無しの丸見えなので子供は見ちゃダメだよ。