blacknessfall

NEXT -ネクスト-のblacknessfallのレビュー・感想・評価

NEXT -ネクスト-(2007年製作の映画)
3.5
ケイジ映画も記録しておかないと見たのか見てないのか分からないくなるよな、セガールほどじゃないけど似たような映画多いし。

今作のケイジは2分先の未来が見える男。その能力を隠しつつ能力使いマジシャンで日銭を稼いでる。
FBIの捜査官ジュリアン・ムーアはケイジの能力を知り核を持って潜伏してるテロリストの捜査協力を依頼する。最初は断るケイジだったが恋人がテロリストのターゲットにされると知り、彼女を救うためテロリストの捜査をすることに。

この映画は久しぶりにまともなサスペンスアクションだった。2分先が予知できる設定を活かしたシーンはどれもおもしろく、そしてかっこいい。
テロリストとの銃撃戦でこの予知能力をフルに使って敵を倒していく時の演出がサスペンス効果を引き出すスリリングなものになってて見応えがある。
全般的にアクションがダイナミックでかっこいい。監督がリー・タマホリだった。タマホリと言えば売り出し中のイケイケの時に女装して街頭で売春をしてたという謎の奇行で逮捕されて干されてたけどこの頃から復帰できてたんだね笑
逮捕前と変わらずアクションの撮り方はかっこいい、鈍ってない。
しかし、男が買春じゃなくて売春て捕まるってかなりレアだよな笑

そして肝心のケイジはと言うと、今作はしっかりとしたまともな演技をしてた。近年のテンションと顔圧だけで押しまくる投げやりな感じじゃない。感情の抑揚や機微を丁寧に演じる。遥か昔に“演技派”と呼ばれた頃の完成度の高い演技だった。
正直、ハイテンション、絶叫、顔圧押しのケイジが観たかったから期待外れだったけど、久しぶりにネタにされる前のケイジが観れてよかった笑

思ったけど、ケイジは明らかにバカ浪費癖で銀行から債務不履行で訴えられる前と後では全然違うんだよな。
これはその破綻前の作品なんでまだちゃんと演技に思い入れがあって考えてやってるんだよね。
監督もスキャンダルはあったとは言え実績のある人だし、相手役はジュリアン・ムーア、最晩年のピーター・フォークが友人役だし、最近のケイジ映画とは比べ物にならない豪華さなんだよ笑
ケイジ本人も制作に入ってるし、出演作を大事にしてたんだよ思う。
でも、だからと言ってタボハゼみたいにあらゆるオファーを受けまくり雑な演技ばかりの今がダメかと言うと全然そんなことはない。むしろ数倍おもしろいんだよ笑
ここがケイジの存在の不思議というか味なんだよな。希な個性だと思うよ。次はもっと雑でオーバーアクトのケイジが観たい🤩
blacknessfall

blacknessfall