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至宝 ある巨大企業の犯罪のEssiniのレビュー・感想・評価

至宝 ある巨大企業の犯罪(2011年製作の映画)
3.5
イタリアの食品メーカー、パルマラットの粉飾決算事件に基づく実録物。
FvFでエンツォ・フェラーリを演じていたレモ・ジローネが社長、ワンマン同族経営に振り回されて眉間の皺を深めていく山羊座のCEOにトニ・セルヴィッロ。名優同士のケミストリーが良い。淡々とした倒産劇。

こちらの社長はレースではなく牛乳にご執心、フェラーリではなく四億のランボルギーニを会社の金で買い、買収先としてフィアットは論外とか言っちゃう。見た目は穏やかだけど経営の才も芯もないダメ社長。毎回帳尻合わせに追われるCEOも女性の部下にでしゃばるなと言い、取引先にも怒号を向ける堅物。

会社にとっての希望に見えた社長の姪も資金難からやがて腐敗していく。
演出は抑制され、各人物のキャラ立ちも分かりやすいけど全員クズを極めていくので爽快感には欠けます。俳優に興味がなかったら観ていて楽しい部類の映画ではないですね。

でも穏やかで(考えなしだけど)丸いジローネと偏屈で長細いセルヴィッロの対比は美味しいです。
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