信じることを信じてる―。
ウルトラマンガイアである高山我夢 (吉岡) が訪れた世界は、何と自身の戦いが『ウルトラマンガイア』としてテレビ放送されているパラレルワールドだった。勉 (濱田)の前に突如現れた赤い球の力によって、空想した怪獣が現実化してしまい、対するガイアは苦戦を強いられる。
そんな時、世界を滅亡から救うためティガとダイナが駆けつけた。
ピンチの連続にウルトラマンがほしい!
その歌詞通り、決して相まみえることのないはずのティガ・ダイナとガイアが、それぞれの世界観を乗り越え、勢揃いするまさに夢のような物語。
平成ウルトラマンの“傑作”であるガイアの大ファンである筆者も、公開当時は大興奮したものだ。
平成三大ウルトラマンの魅力、それはストーリーもさることながら、三者三様のスーツとマスクにあることを忘れてはならない。
丸山浩の手掛けたティガ、ダイナ、ガイアのデザインはどれも素晴らしく、特にマスクに関してはある雑誌で「ティガの顔は初代マンのAタイプ、ガイアはB、ダイナはCをイメージした」と語っていた。
確かにそれぞれの“口元”を見比べてみると、ティガの浅いエッジは初代マンのAタイプを、ガイアの縦に長いエッジはBタイプを思わせ、ダイナの広く深いエッジはCタイプそのものだ。
あくまでテレビシリーズの番外編という理由もあり、アグルの出番が無いのは残念だが、こうして久々に鑑賞してみると光の巨人の3人が一同に集まるワクワク感は今も変わらず、やはり何と云ってもガイアの“着地シーン”はいつ見てもカッコいい。
この世界は滅んだりしない、絶対に―。
ラストの我夢の台詞が胸にくる。
“ガイアノチカラ”が必要にならないよう我々は邪悪な願いにうぬぼれてはならない。
61 2021