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ハード・キャンディのとぽとぽのレビュー・感想・評価

ハード・キャンディ(1999年製作の映画)
2.0
「面白いと思ったの」向こうの学園映画好きとしての義務感。なるほどポストMTVぽくチープでドギつくコテコテな時代感が愛しい。例えばワイプの際の効果音もわざとだけどダサさ満点。また内容としても今日で言えばSNSでの行き過ぎた承認欲求にも似た愚かな見栄の張り合いに、その空っぽな高カロリーさがマッチしている。陰キャラから見た憧れの存在のケバケバしい空虚さ・低俗さ。調子外れで醜悪かつ画面を埋め尽くすほど色飽和状態で目疲れちゃうやつだ。ハードキャンディ = 原題Jawbreaker とは(顎が壊れるくらい)大きなキャンディのこと、それを誕生日のイタズラのせいで喉に詰めて死んだ高校の影のクイーンで皆の恋人・人気者。からの、とんでもない交換条件だけどティーンにとって何よりリアル?キャラクターも画一的で浅はか・空っぽだけど、パム・グリアも刑事役で出ています。そして決着はプロムへ。女性社会はネチネチ腹の探り合いや方法も陰険なため時に男以上に怖い。そういう主眼とは異なるけど、やっぱりMTVぽい色彩感覚で女子中心なハイスクールものというと傑作『クルーレス』思い出すし良作『ミーンガールズ』もある。ダークな学園モノとしても例えばボクの好きな『ヘザース』とかからは程遠いな。本作に限って言えば作り手自身の知能指数が低いのか馬鹿っぽいがそもそもコメディかも怪しい、いやコメディですらない。繊細さの"せ"の字もない薄っぺら内容に見ていて反吐が出そうなほど苛立つ時も。ちょっと話変わってくるけどヘビーさを突き詰めるだけなら『サーティーン』等いくらでもある。それらあっちの日本以上に明確で極端な学内ヒエラルキーの歪んだ構造を垣間見るための参考としても興味深い。全て鑑みると一種文化人類学的考察。環境が人を作るという時に際どくスキャンダラスな題材、こういう話を作るとき皆『ツインピークス』を見習うべき!

「あの完璧なリズが変態プレイで死んだのよ」「あなた異常よ」「あなたが夢に見るようなこと」女王「そんなことで人を支配できるわけない」「クイーンになれる。男たちが群がってくる」「女王の座から蹴落とすのって楽しい」「ランチは食べない」「呼び出し一回で出ないで」 "Don't go." "Don't come." 「アメのイメージを壊してる」「恐ろしい世の中ですよ、天井キャンディにも毒がある」「グリースを見たわ、2回。心を揺さぶられた」 "I made you." 「名案ね、リズのように殺せば?」リズの家で怖い思いをしたせいよ「凶悪すぎて高校生とは思えない」"To prom queens!" 「高校の友達って何かしら?」
TOMATOMETER7 AUDIENCE54
Critic Consensus: This throwaway comedy falls victim to its hip sensibilities.
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